中国(購買担当者景気指数)PMI 28ヶ月ぶりの低水準

中国当局が1日に発表した7月の購買担当者指数(PMI)は50.7と、
28カ月ぶりの低水準となり、信用逼迫や世界的な需要の鈍化が中国
の製造業セクターを圧迫していることが示されたという。


同時にHSBCで発表された数値は49.3。
ただこれも速報値は48.9だったことから、これでもやや上方修正され
たものだ。
中国が成長の促進とインフレ抑制問題という、極めて難しいかじ取りを
迫られているに違いない。


ほぼ同じ頃に発表された他主要国のPMI指数は、
ドイツが52、 ロシア49.8、 英国49.1、 スペイン45.6。
ドイツはユーロ安から製造業が復活。
他3国は50を下回り、経済は財政問題も含め、悪化してきている。
ちなみに日本は52.1で、2カ月ぶりの上昇だったという。


それにしても中国の経済指標は一般常識では測ることができない。
以前7月10日に投稿した、不動産の転売問題や、自動車の国内販売と
いうおかしな統計方法は氷山の一角に過ぎず、日本や欧米諸国等とは
まるっきり違う。
文化や歴史といった国柄が異なっているということもあるが、バブル経済
とは言えども、どのような基礎データを基にして換算しているのかどうか
不明だ。
参考までに、28ヶ月前の中国経済どん底の状態であったことは記憶に
新しい。


7月15日に中国統計局が発表した第2四半期のGDP伸び率は、前年
比10.3%の成長。
第1四半期の11.9%からやや鈍化したというが、それでもバブル崩壊
を感じさせないほどの高成長だ。
しかし毎回こういった統計を出されても、まともに信じる人はいない。
それは金利が正直に物語っている。


中国は先月6日、政策金利を再び引き上げた。
今年で3回目の引き上げである。
1年物は6.56%、3年物は6.65%、5年物は6.90%である。
インフレの過熱を抑えるものというが、1年物でも5年物でも金利数値に
それほど違いはない。
しかもGDP成長率と比べて極端に低い。


もっと摩訶不思議な点は、預金金利の異常なまでの低さである。
1年満期で3.50%。
10%の成長を誇る国が、たったこれだけの金利しかつかないのだ。
本気で中国政府は不動産バブルを抑えようと思っているのか?


もし日本が10%程度の成長を続けているとして、預金金利がこの程度
だったら、銀行預金自体の存在が疑われるだろう。
それ以前に日本国中で暴動が起きるかもしれない。
日本はバブル経済の4年間、GDP成長率は5〜6%を達成していた。
その頃の金利は8%までいっていたのだ。


GDP比における個人消費も一向に改善していない。
米国は70%、日本とブラジルは60%、インドでも50%というのに、
中国はたったの35%。

つまり中間層が思うほど育っていないという証拠だ。
中国の経営者は、中国人向けの商売は儲からないというステレオタイプ
を持っているのだろう。
不動産はその名の通り、動かすことができないから、国内の販売や投資
で商売していかなければならない。
だから他国に気兼ねなく、一方的に、しかも好き勝手にバブルを発生さ
せることが可能というものか。。。



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