「円安」 の容認は、日本に蔓延る甘えの構造

どうやら今年の9月は金融機関の破綻ショックではなく、為替
相場のショックに陥る月のかもしれない。
ここ数日間、USドルが全世界の通貨に対し軟調に動いた。
その一方で日本円が独歩高になっていった。
これは大変喜ばしいことである。


しかしまだまだ実力的にみても、円は安いままだ。
世界の経済状態を見て廻しても、金融機関がひとつも破綻して
いない日本が、なぜ思うように円高に振れないのか?
とても不思議である。


やはり世界の経済がますます厳しくなると、需要の面から基軸
通貨のドルを一時的にも欲しがる動きがあるのだろう。
米国債などは、多くの先進国や発展途上国保有しているため、
その焦げ付きは、保有国に計り知れないほどの傷をかぶる。
(日本以外の国では)


欧米や新興国の経済情勢を考えても、円は対ドルで60円台に
なっていても全くおかしくない。
中国や他の新興国が、保有している米国債を一気に放り出して
も不思議ではない。
しかし中国の場合、最大の顧客である米国の息の根を止めると、
今でさえ生産が激減している輸出企業に致命傷を与えることに
なる。
欧州のほうは、英国以外は大した額を保有していない。


きわめつけは日本だが、政権交代が実現したとはいえ、外交問
題については、当分は様子見気分に浸っていくだろう。
つまりこれは、米国債を今以上増やさないという意味でもある。
当分は、内政問題に重点を敷くだろう。


日本のGDPにおける輸出の割合は、せいぜい17%程度。
残りの83%が国内の人によって生み出されている。
いわば典型的な内需型国家なのだ。
民主党は今よりさらに内需比率を高めようとしている。
とても素晴らしいことである。


一方で唯一、日本以上に内需国家の米国は、もうかつてのよう
な消費国家には戻れない。
戻ろうとする前に国家破綻に陥っているだろう。
だから今後ますますドル安を進め、輸出に依存し始める。
世界一の農業大国は、間違いなくこれからも維持されていく。
付け加えれば、情報(IT)産業の座も死守するだろう。


これからの日本は、今以上にモノ作りや環境といった分野を拡
大できることから、今より2〜3割程度の円高にはビクともし
なくなる。
先日のブログにも投稿した通り、上記の特許件数がズバ抜けて
いるのが大きな強みだ。
大きな存在感と野心を果したいなら、一日あたり1円の円高
急激すぎるが、一か月あたり1円程度の円高は容認していくべ
きである。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者