英国(イギリス) 不動産バブル崩壊から国家破綻へ(2)

今年6月の地元英国の報道で、政府が数百億ポンド相当の国有不動
産を売却する可能性があると報じた。
資金繰りに関しては国家も企業も同じこと。
借金が膨らんで金が回らなくなってしまったら、不採算部門を切り
離すか、売却したりするしかない。


政府債務は日ごとに増大し、銀行資産の傷みが進んでいる中、さら
に消費不況で税収が落ち込んでいるわけだから、これからも大きな
損失リスクを抱えることになる。
政府の国有資産売却はある意味で当然のことだ。


通貨も同様。不況の中、ポンドが急落していることで輸入品を中心
に価格が上昇する。
負の連鎖は、英国を未曾有の危機に巻き込んでいくのである。
07年の危機前は1ポンドが260円くらいまであったが、今は、
140円台。半値近くにもなってしまった。
とにかくGDPの5倍もの資金が金融機関に流入していたことを踏
まえると、簡単な解決策なんてあるはずがない。


それを追い打ちするかのように、今年の3月には長期国債の札割れ
が襲ってしまった。
40年国債の応募が届かなかったのだ。
これにより国家財政がますます苦しくなる。


とにかく金融機関以外も苦しい。
大手量販店もすでにいくつか潰れてしまった。
ティーにあるピカデリーサーカスといった中心部でさえも、大手
企業が倒産しているらしく、空き家が増えても再度埋まることがな
いまま、放置されているという。


さらに日常生活の面でも興味深い記事が報道された。
動物好きとされる英国人の間で、ペットを手放す動きが加速してい
るとのことだ。
動物虐待防止協会(RSPCA)によると、08年同国で捨てられた
ペットは前年比57%増の1万1586匹。
捨て猫が50%も増加し、馬や家畜・外来種のペットも捨てられ、
ペットを手離すことを考えている市民からの問い合わせも52%増
えたという。
ペットの餌代や獣医代の支払いといった年間維持費は、一般平均で
200万円ほどしていたのが、この不況下で耐えられなくなったと
いうことか。。


とにかく不動産バブルはこれからも増大してくる。
収入証明書なしで売りまくった結果だから自業自得としかいえない。
売却できたとしてもローンを返すことは不可能であるから、返済の
継続を促せる要因なんてほとんどない。
ただ身を引いて、鍵と解決策を住宅ローン会社に託すしかないのだ。
社会保障をはじめとした医療費のカットなど、これからは長時間に
わたって英国自身を苦しめることになるだろう。
最後に今年報道された英銀のニュースを簡単に取りあげてみた。


 ・RBSが英国史上最大の3兆3740億円の赤字を計上。 (2月)
 ・ロイズが公的資金を6割注入。 (3月)
 ・RBSが2割にあたる9000人の人員を削減。 (4月)
 ・ロイズが2100人の人員を削減。 (7月)
 ・ロイズがさらに1200人の人員削減。 (7月)
 ・HSBCが1700人の人員を削減。 (11月)


間違いなく言えるいことは、欧米諸国を中心に来年以降もますます
危機が深刻化するということです。
日本のウソ新聞が伝える報道記事に騙されてはいけません。



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