ドバイワールド 不動産バブル崩壊による金融危機で返済案停止

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系持ち株会社である
ドバイワールドは、同国政府による支援策条件がいまだ合意に至って
おらず、約220億ドル(約1兆9900億円)の債務再編に必要な
「スタンドスティル(停止)」 案を期限までに債権者に提示できない
可能性があるという。
今回交渉に関わっている銀行関係者(バンカー)2人が明らかにした。


うち1人のバンカーは、ドバイワールドグループの債務再編責任者が
18日に送った債権者会合の議題に関する書簡を引用し、同社と資金
調達の仕組みの複雑さが遅れの原因だと述べた模様だ。
別のバンカーによると、会合が建設的となる可能性は非常に低く、
情報の共有に重点が置かれる見通しだ。


今回2人のバンカーは、協議が非公開だとして匿名を条件に語った。
広報担当もノーコメントを通している。
ドバイワールドは、少なくとも来年5月30日まで債務返済の凍結
ないし繰り延べを求めるとも表明。
12月1日には、ドバイ沖にヤシの木型の人工島を建設する不動産
部門ナキールの債務を含む、計約260億ドルの債務に関する条件
変更を望む意向を明らかにしたという。


ドバイワールドはアブダビ首長国からの100億ドルの資金拠出を
受けて、ナキールイスラム債約41億ドルの償還に一応成功した。


とにかくドバイの返済は今後も不可能と考えていい。
5月30日に希望した猶予期限に債権者が同意できたとしても、
ほんの一部に限られるだろう。
昨年のように原油価格が急上昇しないかぎり無理だ。
なにせ中東諸国の人間は、将来の予測はもちろん、バランスシート
のことなど初めから考えていない。
原油一本で生活していたのだから、日本人のように細かいところま
で考えたことはなかったのだろう。
マクロのことはいつも頭にあるようだが、ミクロの部分といえば極
めてどんぶり勘定だといえよう。


ドルペッグ制を続けている中東諸国は、たとえ今後原油価格が
ジワジワ上昇しても、ドルが反比例に下落していくので、全く
恩恵を受けなくなるのだ。

中東諸国の未来は終焉を迎えたといっていい。



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