米銀の破綻 新たに5行。商業用不動産バブルの崩壊が深刻化

連邦預金保険公社は、オレゴン州のコロンビア・リバー・バンク
(総資産約11億ドル)など、合計5行が経営破綻したと発表した。
1日当たりの破綻行数としては多いほうで、今年明けからの銀行
倒産は計9行になった。
他に閉鎖された銀行は以下の通り。


 ・プレミア・アメリカン・バンク (フロリダ州)
 ・バンク・オブ・リートン (ミシガン州)
 ・チャーター・バンク (ニューメキシコ州)
 ・エバーグリーン・バンク (ワシントン州)


去年1月には6行が破綻したが、それを上回るペースで淘汰が進ん
でいるということだ。


2009年の破綻総件数は140行
2008年 26行
2007年 3行
2006年 0行
2005年 0行


サブプライム問題が世界的に顕著にあらわれた07年から、急激
に破綻件数が増加している。
上記のように毎年、倍のペースどころではないのだ。
景気が一段落したといわれる去年でさえもこのありさまだ。
今年は少なくとも400行ペースの勢いで閉鎖されるだろう。


08年10月に制定された金融安定化法案で、最大約7000億
ドルの公的資金を投入して、金融機関の不良資産を買い取ること
を定めたが、その資金が今年春にも底をつくことになる。
去年は止血措置として一時的な功を奏したといえるが、今年は確
実に内出血が拡大してしまうだろう。
仮に同じ法案が成立したとしても、同じ額ではとても足りない。


商業不動産価格は07年のピークから30%も下落しているが、
今後以降も40%、50%. . . と下降していくのは確実。
しかし取引額のほうは、すでにピークの10分の1。
そして今年、最も顕著に悪化していくのは、富裕層に貸し付けて
いるプライムローンの焦げ付きだろう。
何度も繰り返し言うが、最悪期は2011年の秋である。
今の金利返済が一気に、3倍、4倍と増えてしまうため、これだ
けで返済が事実上不可能となってくる。


欧米諸国は今年後半から過去最大の試練が待ち構えているだろう。



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