民主党のホープ 【 前原誠司 】 鳩山由紀夫、管直人に次ぐ総理大臣へ

日本航空(JAL)と、羽田空港の東アジア地域におけるハブ空港に向け
た舵取りを懸命に指揮しているのが、野心と野望溢れる若き政治家、
前原誠司国土交通相だろう。
自民党政権が長年放置してきた問題への着手をコツコツと行ってき
ている。
09年夏の総選挙で自民党を破り、新政権の座に就いた民主党にとっ
て、早速その政治手腕を試されるときがやってきた。
2005年秋には43歳の若さで民主党代表にも選ばれた。
しかしその後、不覚にも同僚の偽メール問題で退陣した。


年齢的な若さから考えて、ネクスト鳩山総理とまではいかないだろ
うが、管直人副総理の次には十分考えられる人物だ。
えっ、岡田外務大臣がいるのでは. . . ?
と思う人も少なくないだろうが、確率的には小さい。
なぜなら今の米軍普天間基地問題にあるように、他の閣僚ほど反米
的ではないことがわかったからだ。
民主党は口には直接出さないが、反米国主義を持ち合わせる政党な
のだ。それがこれからの日本の息を吹き返すことにもなる。


率直な物言いで知られる前原氏は、自民党と建設業界との癒着関係
を熱心に指摘し批判してきた。
去年9月に国交相に就任してからも、自民党政権下で官僚が推し進
めてきた多くの無駄な公共事業にメスを入れるべく、八ツ場ダムの
建設中止を宣言した。
八ツ場ダムは、計画されてから50年以上経つ現在も建設が続いて
いて、総事業費は約4600億円にも上っている。
現在TVや新聞で、建設される陸橋のような映像が映し出さ
れているが、実はあれはダムではない。
驚くことにあくまでも道路だという。

いかに自民党が放置政党であったかが分かると思う。


羽田空港の東アジア地域におけるハブ空港化を提案し、官僚だけで
なく国民までも驚かせたことでも知られている。
交通の便の良い羽田を主に国内線専用とし、辺鄙な場所にある成田
を主に国際線専用と位置付けるという、40年以上も続く不人気な
政策への決別を意味するものだ。
前原氏は韓国のインチョン空港が日本人の旅行者に客を奪われてい
るという現実を悔し紛れに語っていた。
戦後閉ざされてきたオープンスカイ協定の実現も、前原大臣の功績
によるところが大きい。


とにかく前原氏が国土交通大臣になったことによって、羽田のハブ
化を推進していくことは決まった。
いまでも日本に就航したい各国の航空会社は、中南米やアフリカを
中心にたくさん待ち構えているのだ。

そしてそれ以降も、他の大空港(関西空港など)については、格安航
空中心に利用することも検討され始める。
不採算路線の拡大をはじめとするJALの現状を作り出した現実の多く
は、旧政権時代の国交省(旧運輸省)の官僚が策定した数十年に及ん
できた予算バラマキ型が原因だ。
それらの政策はいうまでもなく、自民党政治家からの支持を受けて
推進されたものだ。


1月25日の衆議院予算委員会の席においても、前原大臣は自民党
時代に行われてきた一連のムダ使いについて激しく指摘した。
町村元官房長官に対して、
財政赤字を膨れ上がらせて、バラマキの公共事業をやってきたの
はどの政党、政権なのか! ダム、空港、港の維持管理だけでも大
変だ。金利負担だけでも巨額なんですよ。どうするんですか!”

応酬した。 さらに、
“自分たちのツケを放っといて、今の政権に文句を言うのはやめて
ほしい”
と激しく主張した。
ニュースで見た人も多いだろう。これは当然の主張である。
自民党にとって弁解の余地など何もない。


さらにこの応酬劇で、またまた胸糞が悪くなる思いを感じた。
メディアがこういった映像をあまり伝えなかったのだ。
自民党と官僚の味方である国内の各メディアが、こういった当然の
主張を意図的に伝えないようにしている。
私もTVは普段から視ているが、完全な受け身からは視ていない。
メディアが国民に対し、どのように騙し手口を使って報道している
のか確かめるためにも視聴している。
少なくとも 「政治と金」 の問題については、自民党に言われる筋
合いはないのだ。


前原大臣は若いころ、高校と京都大学を通じて、奨学金を使って勉
学に励むことができた努力政治家。
そして大の鉄道好きでも知られている。
趣味はSL(蒸気機関車)写真の撮影とコレクター。
かつて大臣自らが撮影してきた写真が、秩父鉄道のSLカレンダー
に採用されたこともある。
このことも今の前原大臣の熱意と希望を生んでいるのだろう。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者