ユーロ圏の景気後退 フィンランド経済も徐々に悪化 ノキアは?

フィンランドの今年1月における失業率が発表された。
前月比1ポイント悪化の9%。
今回の金融危機後では最悪の失業率である。


フィンランドは欧州全体が景気後退に直面していた90年代半ば、
一時16.6%まで失業率が悪化していた。
しかしその後のIT革命と金融改革で、他の諸国同様に景気が
回復していた。
不動産価格もジワジワ上昇していたのだ。


フィンランドといえば、携帯電話のノキアが世界的に有名だ。
世界市場の占有率では長年1位を築いている。
ちなみに2位と3位は、モトローラサムスンである。


だがノキアといえども今回の金融危機は無関係ではいられない。
リーマンショック後の08年第4四半期の売り上げは、16%も
下落し、利益は70%近くも吹っ飛んだ。
同時に従業員1700人の削減を発表した。
その後も工場や人員の追加リストラを実施している。


そしてついに09年11月、ノキアは日本国内における携帯電話
端末の販売中止を決め、同事業からの撤退を明らかにした。
いうまでもなく、日本法人の従業員約300人のうち220人の
削減を発表したのだ。


日本ではほとんど報じられることがないフィンランド情勢だが、
IT化が進んでいるとはいえ、ここまでの失業率は最悪だ。
金融関連の傷みは日本と同様に被害は小さいが、日米より
輸出の割合はずっと大きい。

これからもどんどん経済の悪化が進行していくに違いない。
再度付け加えておくが、フィンランドも立派なユーロ通貨導入国
なのである。



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