米銀の破綻 新たに2行 商業用不動産バブル崩壊は有史以来の深刻

米国の中小銀行破綻が新たに2行増え、今年で合計22行になった。
今回閉鎖された銀行は、


 ・カーソンリバー・コミュニティバンク (ネヴァダ州)
 ・レイナー・パシフィックバンク (ワシントン州)


米国では現在、全国各地で新規工事や途中でストップしているビル
や民間施設が多数存在している。


新規工事が最初からストップしているだけならまだしも、途中まで
工事が進んでいるにもかかわらず、その後の第2次、第3次の融資
が銀行から借り入れすることができず、巨額の借金を背負ってしま
った機関投資家や、管理会社が大幅に増加しているのだ。

しかも大幅に値下げをしても、売れないし、テナントが入らないと
いう状態が続いている。


米国の商業不動産価格は、07年の天井価格から4割も下落した。
しかも今後も一層下落するということである。
2014年までに償還する必要額は、ナント120兆円。 
これはどうみても焦げ付いている。
個人の住宅ローンやカードローン、民間や公的金融機関の負債や、
政府の財政赤字(隠し債務)、そして州の財政債務などを全て含める
と、2京円以上の負債を抱えていると思われる。


しかもギリシャや、PIIGSと皮肉られる欧州の債務問題から、
今後も米金融機関に火種がどんどん飛び移ることになる。
実際ギリシャは、今年4から5月にかけて大量の国債償還を控えて
いる。 その額は日本円にして2兆円を上回る。
ギリシャ経済の規模を考えても、一国ではとても対処できない額だ。
2008年の同国GDPからみても、10分の1近くの額だ。


今年3月の米国発金融ショックで、一定の円高を迎えることになる
が、それに追い打ちをかけるように、ギリシャ(欧州)発のショック
で、更なる円高が進むことになるだろう。
ちょうどこの時期(5月)は、ドバイの債務返済問題も世界を駆け巡
ることになる。
このドバイに莫大な融資をしている英国の金融機関が、更なる損失
を被り、ポンドやユーロ売りが進む。


そして今度は6月ごろ、中国が米国短期国債の投げ売りを始めて、
ドルが一層安くなる。
雇用環境が急激に悪化し、米国の政策金利が元通りに引き下げら
れると思われる。
7月と8月は急激な円高の反動で、いったん円安に振れるだろうが、
9月には第2、第3のリーマンショックが訪れ、1ドル70円台前半
の相場が訪れよう。
大まかなシナリオはこんな感じだ。



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