アイルランド経済情勢 失業率が一気に加速 不動産バブルの崩壊で

今年1月のEU圏平均失業率が発表された。
結果は3か月連続の9・9%。
オーストリアやオランダの低失業率で、かろうじて大台を割り込
んでいる状態だ。


やはりPIIGSといわれる国の失業率が高い推移だ。
その中のイタリアは8.6%で、比較的中間に位置しているが、
ポルトガルアイルランド、イタリア、ギリシャは飛びぬけて
高い失業率である。
他の国は以下のとおりである。


 ・ポルトガル 10.5%
 ・アイルランド 13.8%
 ・スペイン 18.8%


PIIGS国の中でもギリシャは、過去のブログでも何度か投稿
した通り、去年10月から失業率を公表していない。
政治的な政策がかなり影響しているのだろう。
それより国家自体が機能していないことも考えられる。


中でも悪化が目立ってきているのが、アイルランド
前月から比べて、一気に0.5ポイントも悪化している。
これは09年4月から5月にかけての失業率と同じ増加率だ。
決して大国とはいえないアイルランドだが、これといった産業や
技術がない国として、今回の不動産バブルの破裂は想像を絶す
るほどの傷みだろう。
景気が回復した後の後遺症もかなり心配される。


それでもギリシャルーマニアリトアニア、トルコといった国の
ように、失業率を去年秋から公表していない国より、まだマシとい
えるかもしれない。
きちんとした失業率の公表は透明性が高いので、他国から支援
も受けやすくなるという利点だけはあるだろう。
隠し事をしないというモットーだけは立派である。


さらにPIIGS以上に深刻なのが、バルト3国だ。
公表しないリトアニアは論外だが、エストニアが15・5%。
ラトビアが22.9%である。
どう表現したらよいのかわからないほどの悲惨さである。


さらにこれら3国に莫大な融資をしてきたスウェーデンも深刻度
合いを増してきた。 同国の1月の失業率は9.1%。
ついにフィンランド(9.0%)を上回ってしまったのだ。
こういったユーロ通貨圏以外の国も、今年は最大の正念場に差し
掛かるだろう。



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