中国 人民元レートの切り上げ問題 変動幅拡大をついに容認か!?

中国政府系エコノミストは、中国が人民元レートの1日当たりの変
動幅を拡大する案が浮上していると語った。
世界的な信用危機を受け、08年7月から対ドルで固定している元
相場について、緩やかな上昇再開を認める可能性があるという。


ここ数カ月間、温家宝首相らは人民元は決して過小評価されていな
いし、欧米諸国からの切り上げ圧力にも屈しないと繰り返し発言し
てきたが、そのトーンは最近控えめになっているという。


しかし日本が85年のプラザ合意後のような、急激な円高容認には
ほど遠いといわれている。
中国当局が、人民元相場の1日当たりの変動幅を現行の上下0.5%
から1%程度に拡大し、その後は緩やかな上昇を容認するだろうと
予想している。


これはまだまだドルペッグ制へ固執するものだ。
中国は欧米諸国同様、近いうちにドルが急激に下落するだろうとい
う見通しは確実に持っている。
しかしドルより早くユーロが消滅危機に瀕していることから、今後
も中国はドルの基軸体制を願っていることは確かだ。
かつての日本のような技術を中国は今でも持ち合わせていない。
安価な製品を大量に製造できるが、家電や自動車、その他工作機械
に至っても、日本や欧米の技術供与がないと作れないのだ。


これだけ消費が収縮しても、不動産価格は再度バブルに踊っている
ことは、世界の趨勢とまったく逆である。
今後先進国の経済がますます悪化していくと思われる中、中国が
保有している莫大な米国債を一気に売却することは困難だと思える。
今の中国にそこまでの勇気があるか?
為替レートの上昇で、人民元強化という考えよりも、全ては輸出の
促進で今の経済を維持していきたいという思いしかないのだ。


今年5月、6月頃にやって来る短期米国債の償還期限に至っても、
売却後は、すぐにまた買い増す可能性が高い。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者