米国債 金利急上昇!! 入札の未達と償還、発行残高で格下げ間近

先月、米債券市場で5年物米国債の入札が行われた。
入札結果は芳しくなく、落札利回りは入札直前の市場予想を上回り、
5年債金利は16bpも上昇し、2.58%となったという。
つまり価格は下落したということだ。


情勢は、外国中央銀行や国内外の機関投資家などから4割も下回
ったことが、今回の不調の背景と言われている。
米10年物国債金利は3.939%。
4月5日には3・9859%になったが、これは09年10月1日
の3.179%から約80bpもの金利上昇に当たる。


今回の金利上昇は、米国財政赤字に対する市場からの警鐘だ。
世界の市場が財政に対する懸念を背景に、これ以上の米国債の保
有に “ノー” を突き付けたといえる。
こういった債権市場に、中国の存在が見え隠れする。
去年春に購入した短期米国債の償還期限と重なっているのだ。


ユーロの危機もひとつの要因があるだろうが、欧州では英国以外は、
それほど多く米国債保有していない。
むしろブラジルやロシアといったBRICs諸国のほうが多く保有して
いる。
しかしその英国も、5月に予想されるドバイ再ショックによっては、
米国債をある程度売却するかも知れない。
何度も紹介してきましたが、英国は08年と09年の6月に、
大量の米国債を投げ売りしているのです。


しかし今回は海外からの要因よりも、むしろ米国内の金融機関のほ
うが、これ以上増やせないというものでしょう。
米国債の信用力は国内からも徐々に失っています。
日本のメディアは、なかなかこういった現実をお茶の間に流しませ
んが、欧米諸国の危機はジワジワ近ついてきています。
今後ドルや米国債は、リスク資産になることを肝に銘じるべきです。



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