ポーランド 金融危機後の経済成長は悪夢 不動産バブル崩壊影響で

今日このブログを書いている途中、悲劇がポーランドを襲った。
2005年に就任した同国のカチンスキ大統領が、飛行機墜落事故
で死亡したというのだ。生存者はいないという。
ご冥福をお祈りしたい。


現在ポーランド経済は一時的な回復を見せているが、金融危機
のダメージは、他の東欧諸国同様深刻である。
最もわかりやすい国の経済指標として 「失業率」 が挙げられるが、
今年2月は9%の大台に乗せた。
ちょうど1年前が7.9%だったから、雇用環境は非常に厳しい状
態にあるといえる。


さらにGDP成長率も、2008年には5.0%という力強い拡大をみ
せていたが、09年にはさすがに大きく悪化した。
今年の成長率もわずか1.2%程度と予測している。


ポーランドも不動産バブルに踊った国だ。
2年前までは、金利水準の低いスイスフラン建てで組まれる住宅
ローンが人気だったが、金融危機後は通貨ズロチに対し、スイスフラン
が高騰し、住宅ローン負担を抱える世帯に大打撃を与えたのだ。
わずか3ヵ月間で4年前の為替レベルに逆戻りしたという。
わかりやすく円ベースに例えれば、当時2000万円あった借金が、
3ヵ月後には、2700万円に膨らみ、さらに金利負担も増大したと
いう事態に陥ったのだ。
個人々々の生活は大きくマイナスに変化してしまった。


一方でポーランドの観光産業は進んでいる。
今年生誕100周年を迎えた、ピアノの詩人 『ショパン
は、ポーランドが生んだ作曲家。

海外からの観光客も毎年1500万人前後で、日本にやってくる
観光客の2倍もある。うらやましい限りだ。


ポーランドは平地が多いこともあって、先進国からの工場をはじめ
とした投資が急激に増えた。
今は消費の冷え込みからその反動が激しいが、隣国ロシアのような
政治の独裁はない。
失業率9%といっても、イタリア、スウェーデンフィンランド等と
同じレベルだ。今後の発展に期待したい。



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