ロシア経済情勢・危機 ガスと石油が特徴 今後の見通しは崩壊へ(1)

欧米諸国や日本、アジア経済が縮小してくると、BRICsの一角
を占めるロシア経済にも悪影響が及んでしまった。


ロシア経済は2008年の夏までは好景気が続いていた。
世界的なバブル景気時には、ロシアにも莫大な資金が流入していっ
たのだ。
しかし夏場以降は、ロシア経済を引っ張ってきた原油天然ガス
レアメタル(希少金属)といった各種資源の国際価格が一気に急降
下し、資源輸出をテコにした高度成長路線がひっくり返ったのだ。


欧米や中国では、サブプライム関連証券を大量に買っていたのだが、
ロシアは日本と同様にインチキ証券にほとんど投資しなかった。
また米国との貿易関係も薄く、世界的な金融危機を直接に被ること
はなかったが、危機が欧州地域まで波及してしまうと、間接的な
影響は計り知れないほど大きくなり、状況も一変してしまった。


資源関連産業が打撃を受けると、当然のこと人件費や設備投資を
抑制するので、労働環境が急速に悪化してくる。
こういった雇用・所得環境が悪化していけば、これまで好調だった
個人消費にもマイナスの影響が出る。
他国同様、全ての産業に悪影響が出てしまったのだが、自動車販
売にも大きな陰りが出た。


ロシアでは自動車メーカーの競争力は極めて低く、国内メーカーの
販売シェアが、日本や欧州の輸入車に奪われる傾向が強い。
このためロシアは自動車産業保護のため、輸入車に対する輸入関
税を引き上げる政令を発動した。
新車・中古車にかかわらず、それまでの平均25%を30%に引き
上げた。


ロシア経済の落ち込みは東欧諸国同様、ヒドい状況に陥った。
2006年のGDP成長率は7.7%。07年は8.1%。そして
08年でさえも5.6%まで右肩上がりに成長してきた。
しかし09年は急速に冷え込み、マイナス7.9%に。
これはルーブル危機が起きた98年のマイナス5.3%以上のマイ
ナス成長で、落ち込み幅は94年のマイナス12.7%以降で最も
大きかった。



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