スウェーデン経済成長率が大幅鈍化 経済失策で失業率が急拡大

今年4月のスウェーデン失業率が発表された。
失業率は9.3%。
09年5月以来の高い割合で、世界的な景気回復が期待された中、
いかにもそれを裏切るような数字だ。
前月3月の8.8%から大幅に悪化した。


スウェーデンのGDP成長率の落ち込みはPIIGS諸国の一角で
ある、アイルランドと同様な早さで始まった。
06年は4.2%の高成長を見せたが、翌07年には2.5%に下落、
さらに08年はマイナス0.2%に陥った。
09年はマイナス4.4%。
どんどん暗闇の中に吸い込まれている。


スウェーデンは、エストニアの全対外債務の81%、リトアニア
64%、ラトビアの57%をたった一国で引き受けている。
実にスウェーデンGDPの16%に当たる金額をバルト三国に貸し
付けているのだ。
今回PIIGS諸国、いや、もっと景気が悪化しているバルト三国
らの返済が、今でも焦げ付いている。
これに追い打ちをかけるように、今回のギリシャ危機が襲ってしま
った。
国内企業向けの融資が大幅減少し、貸し渋り貸し剥がしが横行
しているわけだから、成長なんて無理がある。


少々蛇足だが、09年におけるバルト三国のGDP成長率は、
ラトビアが最下位182位のマイナス18%、リトアニアが180位
でマイナス15%、エストニアが178位でマイナス14%。
回収できる見込みは皆無に等しいと思える。
因みに国家破綻を起こしたアイスランドでさえ、マイナス6.5%。


財政赤字は非常に低いが、米国債も162億ドル程度しか保有して
いないため、売却する資産もあまりなく、台所事情は非常に苦しい
状態が続くだろう。



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