中国経済の成長をはるかに凌ぐ、アフガニスタン経済の高成長とは?

毎年高い成長率を保持している国といえば、中国をすぐに思い浮か
べるが、経済成長率だけなら世界6位だ。


しかし09年、中国を遥かに超す成長を遂げたのが アフガニスタン
なんと去年の実質GDP成長率が22.55%だった。
隣国のイスラム教国家であるパキスタンでさえ、わずか1.97%で
あったことを考えると、驚異・・・、というか脅威さえ感じる。
石油や鉱物といった天然資源も、ずば抜けて多いわけではなく、一体
何が同国の経済成長を支えているというのか?


国土は日本の1.8倍もあるが、人口はわずか日本の5分の1。
一人当たりのGDPは500USドルといった状況で、アジアの中でも、
中央アジア諸国や北朝鮮ミャンマー、ネパール、ラオスカンボジア
イエメンと同じく世界の最貧国にあたる。
これらの国と同様、農業や牧畜の依存度がいまだに高い。


アフガニスタンは09年8月に大統領選挙が行われ、カルザイ氏が過
半数の票を得るが、国連の調査で不正が発見された。
しかし二位のアブドラ前外相が決選投票をボイコットしたこともあり、
同年11月に行われた決選投票で、カルザイ氏の再選が決定したのだ。
世界に誇る産業なんて何もない国が、去年どうしてこんな急成長を遂
げることができたのか不思議でならない。


アフガニスタン天然ガスが主力の輸出品であるが、一方で、
「銅」の生産も非常に多い。

去年は新興国をはじめとした世界的な景気回復も手伝って、銅の需要
は急拡大した。1トン当たりの価格も上がり、そのことが同国経済の
成長を一時的にのし上げた理由だったのかもしれない。
とくに中国への輸出が好調だったのだろう。
アヘンの原料となるケシの実の栽培も盛んであるが、政府は一掃させ
ようとしているようだが、全く功を奏していない。


しかしアフガニスタンは毎年、これほどの成長を続けているわけでは
ない。過去のGDP成長率をみると、
2006年は8.22%。07年は14.20%、08年は3.35%だ。
見ての通り、非常に不安定な成長率を繰り返している。
不安定さは同国の政治事情と似ているような気もする。


アフガニスタンの経済規模は、パキスタンのわずか20分の1。
経済規模は非常に小さいので、こういった資源価格が上昇することに
よって、経済も一時的に上向くという脆弱な構造だろう。



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