バルト三国の一角 エストニア ユーロの導入で危機を克服できるか

2011年1月に、通貨ユーロの導入が決まっているエストニア
バルト三国の中でも経済状況は比較的良好であるといわれている。


IT産業が日常生活に密着しており、欧州のIT市場においても、
オフショア開発の拠点となっており、技術者も多い。
このような構造から、金融危機前に好調な経済成長を遂げている
小国の例に、アイスランドアイルランドシンガポールがある。
そして世界で最も早くオンライン選挙を実現したのもエストニアだ。


しかし実体経済のほうは打撃を避けられなかった。
他の欧州諸国同様に不動産バブルが崩壊し、通貨クローン建てで
はなく、金融機関からユーロ建てで借り入れしたことから、クローン
金融危機後に暴落した。
こういった国民や企業は返済額が膨れ上がり、焦げ付いていった。


エストニア財政赤字はGDP比でわずか1.6%。 
これが本当なら非常に低い。まさしく優等生といっていいだろう。
しかしこういった国の反映やプライドも、結局は国民の犠牲の上に
成り立っている。


2009年のGDP成長率は、マイナス14.08%。
世界でも178位という低成長だ。
失業率も非常に悪く、欧州諸国ではスペインに次ぐ19%。


同国のアンシプ首相は、ユーロ通貨の導入で海外からの投資を増
やし、最終的に経済発展をもたらすだろうと期待している。
やはりこういった小国は資金の流入が必要不可欠といったところ
だろうが、再度のバブルを作り上げることは避けなければならない。
韓国のように不動産や家計への貸し出しに使われると、そのうち
とんでもない羽目になることは目に見えている。


蛇足になってしまうが、アンシプ首相は今年2月に開催された札幌
国際スキーマラソンに出場した。
男子の部50キロに出場して、見事完走している。
53歳であるが、今でも現役バリバリのスポーツマンだ。



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