欧州(ユーロ圏)ストレステスト公表 信用不安増大で大幅なユーロ安へ

欧州を代表する格付け会社フィッチは、金融市場の状況が改善しな
かった場合、現地時間23日に公表される欧州の銀行ストレステスト
(健全性審査)の結果で、欧州の銀行の格付けに対する圧力が一層
増大する可能性があると指摘した。


金融危機前、米国以上に法人向け融資を拡大させていることから、
信用不安が今より拡大すれば、融資は焦げ付き、将来に渡って回収
の見込みが薄れるというものだ。
そして欧州金融市場は一部の銀行にとって困難な状態が続いている
とも指摘した。
個別の格付け、および長期発行体デフォルト格付けに対する圧力は、
もし市場状況が改善しなかった場合、ストレステストの結果が発表を
受け、増大する可能性があると最後に警告した。


公表直前に来て、ドイツ大手や州立銀行、さらにフランス大手4行、
そしてギリシャの政府銀行までが、「問題ない」 という結果に至ると
いう。
つまり現段階、ドイツの最大手商業不動産会社ヒポ・リアルエステート、
スペインの貯蓄銀行以外は、パスするというものだ。
一体全体、何を基準にして合格、不合格を判断するというのか?


具体的数字は計り知れないが、ドイツの民間銀行が抱えている不良
債権は、あのギリシャより格段に多いという。
つまりギリシャ向けの準備金、1100億ユーロどころではなくなる
わけだ。
現在は欧州最大の経済大国、欧州一の援助国. . という立派な肩書
で保っているが、実際のところは、来年、もしくは再来年にはドイツ発
金融危機が襲ってくる可能性がある。
ギリシャを援助する余裕なんて、一片もないのが現状だ。


今回のテストの公表を受け、早くも今年秋には急激な信用収縮が襲っ
てくるだろう。
合格と発表された機関が仮にわずかでも資金調達をしようとすれば、
金融機関だけでなく当該国のCDSスプレッドは、一気に増大するは
めになるからだ。
欧州では、金融機関に対する資金注入については全て、ECBから
承認されなければならないという規則がある。


とにかく発表後は対円や他の通貨に対して、ユーロが買われるという
ことはないだろう。
しかし対ドルに対しては、少しばかりユーロ高になるかもしれない。
ストレステストの対象銀行は全部で91行。
結果は日本時間24日の未明にWEB上で公表される。 
いよいよ、世界中が息を呑んで待ち構える時が来るのだ。



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