円高が進行中 ユーロ圏と米国経済の悪化で、9月に1ドル70円台

米国の労働省が発表した7月までの週の失業保険新規申請件数は、
前週比で1万9000件増の47万9000件と、予想外の増加を示した。
同申請件数は4月以来の高水準に達したという。


米国経済の深刻さは想像を絶するものがある。
株価は回復基調にあるのだが、NYダウ30種平均株価というのは、
いうまでもなく大企業の30社しか指標として表していない。
日本の日経225と比較すれば、8分の1にも満たないのだ。
だから貧富が世界一拡大し、日本を含めた世界のメディアも、良いと
ころだけしか報道しない。 実態経済はどん底に陥っている。


最近になって日本の国債が非常に人気だ。
長期金利が7年ぶりに1%を割るなど、国債に資金が向かっている。
円高が進行しているので、他国に比べると国債が買われやすい展開
だという。
米国債バブル崩壊やユーロ諸国の経済・財政危機で、購入先はど
うしても日本しか向かない。 安全な日本国債しか他に無いからだ。


そして今年も 「魔の9月」 が近ついてきた。
これは米国企業が10月から次年度に入るため、9月に決算期に
当たるからだ。

9月中旬には一時的に1ドル70円台に突入する確率が高い。
しかしその反動で再度80円台に戻すかもしれないが、トレンドはこれ
からも円買いに走っていく。
それも世界中の通貨に対して独歩高に向かって行くだろう。


マイナーな通貨であるが、円はルーブルやバーツ、台湾ドルに対して
2円台まで高くなっているのだ。
インドルピーに対しても1.8円台と、どんどん円高になっている。
こういったBRICs通貨に対しても上げ幅を拡大させている。
日本は本格的に円高を武器に政策を変更していくべきに入った。
自国通貨安で、企業収益を拡大させようとする発展途上国型の発想
は、もういい加減やめるべきだ。


戦後54年間も続いた自民党政権時代の、政・菅・財の癒着が、今で
も国民の頭を洗脳させている。
自民党が輸出企業から、長年企業献金を賄賂(ワイロ)同然で受け取
ってきたため、政治的な思惑で円安誘導をしてきたわけだ。

そして国内のTVや新聞も、円高のメリットを伝えず、デメリットばかり
報道してきた。


日本のGDPにおける輸出の割合は16%。
80年代から90年代にかけては、わずか10%程度だった。
一体どこが輸出立国なのか? 完全な内需主導経済ではないか?
米国でさえ最近のドル安から、輸出の割合は12%まで上がって来た。
円高になるとデフレが進むと心配している評論家がいるが、今でも
日本の物価は世界的にみて高いのが現状だ。


大部分の日本人は日常生活品が安くなることを歓迎している。
インフレになれば貨幣価値が下がったり、薄利多売どころか、逆に
モノが売れなくなってしまう心配があることを. . .敢えて考えない。
政治的な影響をモロに受けている、政・菅・財や国内のマスコミ各社
は自分たちの罪深さを知っているのだろうか?



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