米国債 6月は日本と英国が買い増し。中国とブラジルがやや売却。

中国の6月の米国債保有高は過去最大の減少となった。
米国経済成長に急ブレーキの兆候が見られる中、米国債利回りも低
下しているのが理由だ。


中国は去年7月時点の保有最高額からみて、10%以上も減らした
ことになる。
しかしながら長期国債保有は、ほぼ盤石だといえる。
中国は1年前に買い増した短期国債を今回予定通り売却したという
ことだ。
過去何度かブログで掲載してきたが、ある意味で驚くべき事態では
ないといえる。


しかし私の予想が外れた点がひとつだけある。
今年は英国がまったく売却していないのである。
英国は過去2年間の6月に、米国債をほぼ全額売り払っている。
翌月にはその反動で買い支えているのだが、今年は売却どころか、
若干増やしているのだ。


一方で我が国日本は、前月より170億ドル買い増している。
ハッキリいって、いつまで米国債を買い支えているのか?
日本の米国債保有は政府より民間が多い。
米国債といった将来リスクの高いジャンク債を買うなんて、一体全体
どういうつもりなのか?
政治的な意図で買わされているとでしか思えない。
しかしちょうどこの頃を境に、円高が進行していったので、7月以降
保有データは減らしている可能性が強い。


現在2兆4500億ドルの外貨準備を持つ中国政府は、米国債保有
を減らす一方で、欧州や日本の債券の購入を増やしている。
意図としては、欧州は中国にとって最大の輸出先。
地域としては最大のお得意様だからだ。
国別としての最大の顧客は米国だが、欧州経済も沈没してもらっては
困るのである。
日本の場合は欧州・米国に次ぐ輸出先であるし、何よりもリスク回避
として日本の国債を安全資産として買い増しているのが大きな理由だ。



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