米銀破綻 今年は250行のペースで閉鎖 商業不動産取引は壊滅状態

米国銀行監督当局は21日、国内地方銀行8行を新たに閉鎖した。
これにより年初来の地銀破綻件数は、合計118件。
米国経済の悪化は、まもなく2番底となって世界中を駆け巡るだろう。


07年8月、徐々に拡大し始めたサブプライム・ローン問題は当時の
巨大投資銀行を直撃した。
こういった信用力のない住宅ローン証券を主に扱ってきた代表機関
ベア・スターンズの破綻を機に、リーマンショックを誘ってしまった。


米国の銀行破綻は05年と06年はゼロであったが、07年には3行
が破綻した。
その後の破綻数はうなぎ登り。
08年には25行で終わったが、09年には140行も破綻したのだ。
この急拡大は尋常ではない。
おそらく今年2010年は、250行ペースで閉鎖されるだろう。
実際に景気が持ち直したといわれる去年でも、8・9月の2カ月間に
おける破綻数は26行も上った。


2001年にITバブルが弾けた後、米国政府は不動産取引を活発化
させるため、年収数十万程度の人に対しても住宅ローンを積極的に
貸し出し始めた。
この頃から不動産価格の伸びが全国的に拡大し、投資対象商品とし
て土地や家を購入していった。
ここまではまだいい。 日本を始めとした欧州や発展途上国も、かつて
は中長期的な投資商品として扱っていたからだ。
そして一般的な不動産バブルを誘発していった。


ところが米国の場合、たちが悪いことに、こういった住宅ローンを複数
で束ねて、それを証券化し、世界中の投資会社や金融機関に売り捌
いていたのだ。
格付け会社も政府や金融機関と一緒にグルになり、最高格付けを与
えていた。
忘れてはいけない。 2001年に粉飾決算で破綻したエンロンや、
タイコといった会社に対し、疑惑が発覚する直前までトリプルA
という最高格付けを与えていたという事実だ。


とにかくこれが米国内の金融機関だけなら話がわかるが、欧州やアジ
ア諸国にも積極的に売っていたのは今更いうまでもない。
米国以外でこういったインチキ証券に最も投資していた国は、ナント
“ 中国 ” だ。
そして最も投資していない先進国は、日本だったのである。


米国の事実上のデフォルトまであと2年。
米国債の発行残高もここへきて天井になっている。
日本は急激な円高に見舞われる前に、投資している数百兆円のマネー
を米国から回収しなければならない。
元本割れは確実だ。 諦めるしかない。
しかし1円でも多く回収するためには今年中に手を打つことだ。
チャラにされては、たまったもんではない。
しばらくドルは日本円以外では上昇するだろうが、日本円に対しては
どんどん下落していく。 この事実は直視しなければならない。



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