スペインより深刻! 米国(アメリカ)のCDSスプレッドが急上昇

8月末に一時1ドル83円台に突入した為替市場は、その後一伸一退
を繰り返しながら、今ではまるで様子見気分でいるかのようだ。
各国政府や市場関係者は、ドルと円の動向に集中しており、日銀の出
方や、95年以来となる円の高値更新があるかどうかを見守っている。


世界経済の2番底懸念で、主に発展途上国から依然ドルがリスク回避
先とみなされおり、そういった国々では買われる傾向にあるということ
だが、実際のところ、円のほうはドル以上のリスク回避先とみなされて
いるから、結局ドルは円に対して下落し続けるという相場だ。
日本の輸出企業にとっては非常に頭が痛い問題である。


ついにギリシャからPIIGS諸国に飛び火したEUのソブリンリスクが、
もうしばらくしたら米国に飛び火し始め、米国のソブリンリスクに発展
していく公算が高いと思える。
米国債CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の上昇スピードが、
先月から速まってきていることが大きな理由だ。
これは紛れもなく米国債の信用低下を意味し、ソブリンリスクそのも
のの増大を意味するサインだ。


8月5日から18日のデータで、米国債CDSは一気に10ポイント
まで高まり、19.6%も上昇している。
スペイン国債CDSの8.6%の上昇率と比べると、まさに2倍以上の
上昇なのだ。

ちなみに同じ期間でみた日本国債CDSは下落していた。
「欧州の豚(PIIGS)」 と皮肉られているスペイン国債CDSよりも、
米国債のほうが高い上昇率を示しているとは尋常ではない。
ちょうどこの時期に急激な円高が起こり、中国が日本国債への投資
を加速させているのがわかる。


カリフォルニア州がすでに事実上、破綻状態にあることは知っている。
同州の某都市では、警察署まで解散し、すべての公共サービスを
アウトソーシングする
といった、信じられないほどの過激な措置をと
地方自治体も出ているほど、財政問題が深刻化しているのだ。


今月中にはドルが対円で70円台に突入するだろう。
しかしその後は急激な値動きの反動から、一旦は80円台に戻すも
のと思われる。
先日のブログで掲載した通りだ。
しかしそれも、束の間の気休め程度だと思っていい。
年末には完全に70円台に定着していく可能性が高いのだ。



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