米銀破綻 ついに125行。問題はバブル崩壊から差し押さえに移行

連邦預金保険公社は、地方銀行6行が新たに経営破綻したと発表。
今年の米国での銀行破綻はこれで125件に到達した。
地域別でいえば、ジョージア州内の銀行が3行。
そしてウィスコンシン州オハイオ州ニュージャージー州内の銀行が
1行ずつ破綻した。
こういった中小金融機関の閉鎖は、来週末、一気に増加するだろう。


だが今月の破綻件数は、今のところ意外ともいえるほど少ない。
先週破綻した銀行はわずか1行。 その前の2週間はゼロだった。
確かに去年(09年)でみると、9月の破綻件数は11行。
前後の月でいえば、8月が15行。10月が20行も沈んでいる。
これは何を意味するのだろうか?


会計年度末真っ只中の今、月末までの僅かな時間を利用し、ギリギリ
まで決算を公表しないという目論見もある。
実体経済でいえば、商業不動産向けの融資をこれまでなく厳格化して
いたことから、不良債権の増加を少しばかり抑えられたことも寄与して
いるだろう。
とにかく決算は決算。 閉鎖の発表は翌週だってあり得る。


米国は今、ドル安で輸出企業は業績を伸ばしているが、住宅ローンを
貸し付けている金融機関は、ますます傷みが増してきている。
バブル崩壊の後遺症云々よりも、まだまだ底をついていないのが現状。
とにかく融資を受けている債務者の返済が、どんどん焦げ付いている
のは経済指標からみて明らかである。
今以上の住宅価格が今後も下落することは間違いない。


何度も言うが、住宅金利が最高潮に達するのが2011年の秋。
これは主に富裕層向けのプライムローンである。
サブプライムの数倍の貸付額というから、影響は計り知れない。
新しい景気対策を謳っても、法案が通過するまでは時間がかかる。
それより次に打ち出す法案が今度も無事成立するとは限らない。
球切れは時間の問題である。


すでに円高は、予想外ともいえる日銀の大規模介入によって一時的に
落ち着いた。 しかしこれはあくまでも一時的だ。
数日前のブログから繰り返しているが、とにかく来週、来週末の経済
指標が最も気になる。



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