メキシコが100年債を発行 中国に続き、ラテンアメリカでは初

メキシコ財務省は、償還期限を2110年とする超長期国債を発行
したと発表。 発行額は10億ドル。
同省によると、国が100年債を発行するのは1996年の中国に
続き2例目で、中南米では初めてという。
同国政府は今回の国債発行で、今月償還期限を迎えるサムライ
債をはじめ、再来年までの対外債務の償還に必要な資金を工面で
きたとしている。


それにしてもメキシコとはいえ、日本円にして830億円程度の国債
を100年間の担保で発行するとは、ある意味驚きだ。
利回りは6.1%で、積極的に購入したのは米国や欧州、アジア諸
国などの機関投資家で、発行額の2.5倍の需要があったという。
本当にこの程度(!?)の資金難に襲われているというのか?


先のアイルランド国債の高い利回りと同様、これだけ利ザヤを稼げ
るとなると、世界からこぞって投資が向かってくる。
メキシコは昨年、韓国のGDPを超え、世界14位まで上りつめた。
これからさらに成長が期待できる新興国の一国だ。


しかし油断は禁物だ。
隣国の米国依存が強い国だけに、今後メキシコ経済を支える輸出
に、かなりの陰りが出てくると思われる。
もしかしたらその影響はすでに出始めているのだろう。
欧州ドイツでは今年5月、わずか7700億円の国債調達が札割れ
となっている。 それも5年物債なのだ。
これが調達できなかったということは、将来を観測する投資家達は、
“ 5年以内にドイツはデフォルトする ” と判断したからだ。


メキシコのデフォルトリスクは新興国の中でも低い方だ。
しかしメキシコ政府がこのタイミングで100年債を発行した意図は、
今後世界的な金融危機、つまり2番底をはじめとした信用収縮が
起きる可能性が高いと判断したからだろう。
再度の恐慌が起きれば、新興国にとって資金調達は難しい。
世界14位の経済大国でも、これから予期せぬ不測の事態に備え
て行動をとった可能性が高いと思われる。



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