中国からインド、ベトナムへ 衣料品の生産も 「脱中国」 に向かう

インドやバングラデシュベトナムなどからの衣料品輸出が急増して
いる。
日本や欧米のブランド専門店や小売り企業が、人件費の上昇が続く
中国に集中した生産を見直し、中国より賃金の低い新興国で生産を
拡大しているためだ。


とくにバングラデシュは、衣料品生産では世界3位の規模。
また人件費の魅力もトップクラスで、平均的中国人年収の5分の1
といったレベルである。
同じくベトナムも、中国の3分の1といった安さである。
インドは少々高いが、それでも中国の2分の1程度だ。


家具チェーン大手のニトリは、全商品の半分を中国の工場で生産し
ているが、高騰する人件費によって採算割れが近いという。
去年9月に渋谷で開店したH&M店でカジュアルシャツを購入した
のだが、生産国はインドになっていた。
ユニクロ青山商事も中国の既存工場は維持するだろうが、新規の
工場に至っては、南アジアやASEANに作るという。


とにかく背景には人件費といった経済問題に加え、日本企業の間で
は、中国との政治的リスクも意識されている。
尖閣諸島沖での衝突事件を発端に、中国の税関で日本向け輸出入
の通関作業が遅れている。
これまで以上に中身を調べ上げられている模様だ。
レアアース問題も例外ではなく、日本がひと昔、レアアースの生産
技術を伝授したにも関わらず、中国は輸出規制と価格の上昇といっ
たように、恩を仇で返す行動を平気でしてしまうのだ。
今の中国人に、こんな過去の話をしても聞き入れないだろう。


安く作れるといった魅力がなければ、中国で生産する理由はない。
いたずらにストライキを起こし、これにより従業員の賃金を意図的に
引き上げるといった考えが、いかにも幼稚といえる。
繰り返すが中国では憲法上、ストライキは禁止されているのだ。
しかし共産党政府は見て見ぬふりをしている。
ストライキを利用した国民所得倍増計画は、労働組合があって無い
に等しい中国だからこそ、発想が可能なのだろう。



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