米銀の破綻が再び増加 住宅価格の下落で、中間層の住宅が崩壊中

米銀の閉鎖が11月19日で149行に達した。
すでに2009年の140行を上回っており、毎月10行のペースで
破綻している。
とくに今年4月の破綻数は同月だけで23行、7月も22行も墜ちて
しまった。


比較的小さな銀行、日本でいえば信用金庫や信用組合が多いの
で、当時は差し押さえの可能性が低いとみられていた中間層や高
所得者層、法人向け商業不動産の融資が焦げ付いているわけだ。
こういった中小の銀行はサブプライムのような低所得者層には貸し
出していない。


今年に入って住宅バブルの震源地だった、サブプライムローン
延滞率は4年ぶりに低下している。
しかし去年からは逆に、中間層「オルトA」の延滞率が加速してい
て、ついに10%を超えてしまったのだ。
「オルトA」 とは、サブプライムとプライムの中間的な層だ。


2007年8月17日に起こったサブプライムショック、そして翌年の
9月15日のリーマンショック後、住宅市況は急激に悪化、ローン
の延滞率も増加したため、一般の銀行は貸し渋り貸し剥がし
行ってきた。
今では住宅ローン全体の96.5%がGSEからの融資となってい
るという。
GSEの2社とは 「フレディマック」 「ファニーメイ」 である。
96.5%がこの2社だけからの融資. . . 。
金融危機前まではとても考えられなかった事態である。


GSEは米政府の保証が付いているが、今以上のローン破綻が増
えてしまうと、それは最終的に米国政府、ひいては国民の税負担
となってしまうことは明明白白だ。
しかもファニーメイはすでに11四半期連続の赤字を出している。


ファニーメイフレディマックは、すでに合計5兆ドル以上のローン
保証を抱えており、このまま住宅市場が回復せず、2社が破綻を
余儀なくされた場合、米国政府が負担しなければならない額は、
AIGやリーマンブラザーズ、ベアスターンズ等の破綻より遥かに
大きいものとなるのは確実だ。


多くの専門家は年末に、1ドル80円に最接近する可能性が高い
というし、米国政府も今年の第4四半期には経済成長が鈍化する
という予想をしている。
たとえ想定内であったとしても欧州危機は避けられない。
やはりドル安は再び加速しそうである。



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