米国(アメリカ)の銀行破綻危険数が860行に増加 過去最悪水準

23日に米連邦預金保険社が発表した 「バランスシート問題あり」
の金融機関が、860行まで拡大した。
これは第2四半期の829行からみて一層悪化している。


過去遡ってみても、第1四半期が775行だった。
09年第4四半期が702行(うち140行破綻)
リーマンショック後の08年第4四半期が252行(うち25行破綻)
と比べても、急激に増加している。
銀行の破綻数は、来年、そして再来年と、最悪を記録していくに
違いない。


今米国では虚無感や絶望感が漂っている。
日本の新聞やTVといったメディアは、こういった状況を報道しない
が、モチベーションの低さやチャレンジ精神の欠如は凄まじいほど
低下しているということだ。
米国はいずれ自己責任で自己破壊することは間違いないだろう。
米国政府や州政府、金融機関や民間企業、そして個人の負債は
すでに200兆ドルを超えている。
日本円にして約1京6千兆円である。


また生活保護フードスタンプ等といった、食糧援助がなければ
生活できない人々も全人口の4割を超えている。
信じられないとはこのことだ。
まるで最貧国並みの生活水準に陥ったと考えていい。


しかし国の崩壊と通貨の崩壊は強ち平行線ではない。
これについてはやや話が違ってくる。
これまで米国の危機が頻繁に取り沙汰されるにつれて、対円以外
の通貨に対し、上昇している。
米国の危機が起こるたびに、発展途上国を中心にドルを調達しよう
と考えるからだ。
これらの国にとってドルという通貨は、単に米国の通貨であるとい
う考え方は持っていないのかもしれない。
これからも特別な存在として必要とされていくだろう。
この辺が欧州や日本、BRICsといった新興国と違うのである。


しかしそれでも、せいぜいあと5年が限度だ。
私はかねてから言っているが、米国のデフォルトはあと2年でやっ
てくるだろうと予想している。
今では欧州でギリシャから、アイルランドポルトガル、スペインの
危機が連鎖しようとしているから、その分、米国債といった最後の
砦に資本が進むかもしれない。
だが天文学的な財政赤字や負債からみれば、いくら世界がマネー
を差し出しても、それははした金に過ぎないのだ。


最後に念を押しておく。
今後もドルは、対円に対してだけは下落していく。
このことを日本政府や企業は、ある意味で最大のチャンスと考える
べきだろう。
企業が調達する原材料や光熱費などの経費削減、企業のM&A
いったチャンスが到来するのだ。



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