ポルトガル経済・財政危機 銀行負債は英国、アイルランドに次ぐ

ポルトガル財政赤字が注目され始めた。
ギリシャアイルランドに次ぐ財政破綻危機国となりそうだ。


今年5月と6月には失業率が11%に達し、今も10%後半の水準
まで高止まっている。
しかし同国ソクラテス首相は、引き続き市場で資金調達できる条件
は全て整っている. . . との認識と自信を明らかにした。
しかしこういった強気も今だけに終わるだろう。


数日前のブログでも記載したが、やはりポルトガルは経済規模が
小さい為、アイルランド危機が起こった途端に、すぐ危機が顕著に
なるだろうという予想をしたが、その通りになった。
長期負債と銀行負債がバランスよく(!?)、同レベルの水準にまで
悪化しているのだ。


実はポルトガルの短期負債はPIIGS諸国の中で最も多い。
また今回アイルランドが患っている銀行負債についても、ポルト
ルは、GDP比でアイルランド、英国に次ぐ規模に上っている。
つまりポルトガルは、政府や金融機関が抱える対外負債について、
総額でGDP比225%にも達していることもあり、遅かれ早かれ、
ユーロ基金IMFからの支援は避けられない状況になる。


それではPIIGS諸国と英国の対外負債の割合を出してみる。
いずれも2009年のデータだ。


アイルランド 867%
・英国 342%
ポルトガル 225%
ギリシャ 163%
・スペイン 158%
・イタリア 112%


同国首相は、“ポルトガルでは過去も現在も不動産バブルは発生
していない。国内銀行に問題はなく、予算も解決しつつある”
といっているが、少なくとも銀行負債に非常に大きな問題を抱え
ていることは事実なのである。
これはまさに強気ではなく、偽りの発言といって良いだろう。


ポルトガルの危機まではまだいい。
これが来年スペインまで及ぶと、タダでは済まされない。
だがその前に、英国が本格的な危機を迎える可能性が高い。
何せ英国の銀行負債はGDP比200%を超えているからだ。
王室の結婚式時には、英国は見るも無残な姿を迎える第一歩と
なるに違いない。



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