米国(アメリカ)銀行 バンカメとシティが2011年破綻の危機に

米国経済を更に悪化させる疑惑が、来年には浮上しそうだ。
米銀最大手のバンク・オブ・アメリカ(通称バンカメ:BOA)が、先週
NY連銀や、資産や債権運用会社PIMCOなどから、モーゲージ
債券の買い戻しを請求されているという報道が、オンラインニュース
で駆け巡った。


その額なんとまぁ470億ドル相当ともされ、他を合わせると総額で、
3750億ドルに及ぶ巨額なものだというのだ。
住宅ローン債権担保証券(MBS)を売り付けただけで、4兆円もの
損失金が明るみになってしまった。


そしてバンカメは、内部告発サイト 「ウィキリークス」 から、当行
の内部情報が年明けにも晒されるとの情報も追い討ちを受けた。
欧米の当局は設立者が逮捕されても、世界中に何人かの従業員
が存在しているわけだから、必ず暴かれることになる。
いくら規制を差し掛けても、複数のURLやミラーサイトを作っていく
だろうから、取り締まりの効果は無いといえる。
とにかくもし公開されれば、米銀行界を巻き込んでの混乱に陥り、
米経済の悪化が長期化するのは必至。
もちろん日本経済も一定の指標悪化に嵌まるだろう。


今、このバンカメとシティグループ不良債権が話題になってきて
いる。
先月FRB量的緩和を再び発動し、6千億ドルのマネーを市場に
バラマイタが、このうち半分がこの2社と住宅公社の2社に送った
といわれている。

将来の紙屑マネーをどぶに捨てたような行為そのものだ。


シティは09年1月に株価が1ドルを割った。
そして3月に政府が株式を37%保有することになり、実質的に
国有化となった。
最近の株価は4ドル台まで回復したというが、金融危機前までの
水準である50ドル台と比べれば相当墜ちたといっていい。
シティグループは、今ではダウの30種に入っていない。
取り除かれてしまったのだ。


バンカメはシティほどではないにしろ、リーマンショック後に巨額
不良債権を抱えている当時のメリルリンチを吸収してしまった。
同じく09年1月には株価が2.5ドルまで落ち、今ではナントか
12ドル台まで上昇している。
まだダウ30種に入っているとはいえ、内部事情を暴露されては
堪ったものではない。
噂はすぐに他銀行に波及するだろう。
メリルリンチ金融危機前に、リーマンに次いで2番目に莫大な
サブプライム証券などを保有していた。
今から考えると、吸収合併したこと自体間違っていたといえる。


こういったゴマカシを繰り返してきた銀行とともに、2大住宅公社
もいよいよ危なくなってきた。
フレディマックファニーメイである。
今年夏には株価が1ドルを割り、その後も回復しないことから、
ついに上場廃止となった。
いまFRBはECB同様、ボロクズ債権を買いまくっている。
ECBのほうは、ギリシャといったPIIGSの国債であるのに対し、
FRBは、ABSやMBSといった住宅ローン担保債権である。
ここまでやらないと、大銀行や5千以上もある中小銀行が救えな
いからだ。
まさに “大きすぎて潰せない” という現実に向かい合っている。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者