米国債 2010年11月各国保有状況 中国は減らし、日本は増加

米国財務省が発表した去年11月の各国による米国債保有状況
によると、中国が前月比で100億ドル余り売却。
一方で日本は22億ドル買い増した。
3位の英国も320億ドル増と、米国債保有を他国より増やして
いる。


ブラジル、カナダ、ルクセンブルクも増加させた。
アイルランドや南米コロンビアも1割以上増やしている。
ただこれらの国は保有規模が小さいので、世界的な影響はほと
んど無いといっていい。


一方で減少させた国は、いつもの国であるが、ロシア。
前月比90億ドル売却した。
その他主要国では、上位からシンガポール、フランスなどが一定
米国債を売却している。


米国の長期国債は、昨年11月に量的緩和(QE2)を再び実行し
ても上昇している。
10年物国債は3.5%に達しているのだ。
これが4%、5%台と上昇していけば、まさしく危険水域に入っ
たと考えるべきである。


これまで米国の10年物国債金利の最悪年は、1981年から
82年の16%。
しかしこの時期は、まだまだ米国債の発行残高が少なかったこ
ともあり、国家的な危機を迎えることはなかった。
しかし今は状況が様変わりしている。
何しろ当時より、世界各国の保有額自体が断然違うからだ。


世界各国の政府が保有している分はまだいい。
米国債を最も多く握っているのは民間企業である。
もちろん政府と強いパイプがある企業が多いだろうが、ドル安が
進行していく中で、どうやって採算を合わせるというのか?


まず今年は英国、フランスの最高格付けが見直されるだろう。
来年は米国とドイツのトリプルAが揺らぐ可能性が高い。
少々先のように思えるが、今年は欧州の金融危機再熱によって、
こういった国の銀行のバランスシートや国債等が危機を起こし、
通貨の大幅な下落は避けられない。
いうまでもなく一層の円高につながるということだ。



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