米国(アメリカ)失業率の改善は、ドル安と職探しの断念から回復

労働省が4日、1月の雇用統計を発表した。
比較的厳しい数字を示した部門もあるが、全体の失業率は9.0%。
2010年12月の9.4%から改善。
これは2009年4月以来の水準であるという。


大まかな内訳としては、民間部門の雇用は5万人増。
製造業の雇用者も4万9000人増加した。
小売りについても2万7500人増加。
一方で建設部門は3万2000人減少したという。


さらに政府関連機関の雇用は1万4000万人減。
州・地方自治体の雇用も1万2000人減。
連邦政府の雇用も2000人減ったという。


この指標から何を思いつくだろうか?
まさにタイトル通りだが、製造業といった民間部門の雇用が増加し
た大きな理由は、「ドル安」 の恩恵である。
新興国に対する輸出が増えたことが要因だ。


一方建設業や政府部門の雇用が減少したのは、不動産バブル崩
壊と財政赤字の急増である。
説明するまでもない。 これが今年中に爆発を起こすことになる。
何度も紹介してきたが、中間層が住む住宅ローンの金利が今秋に
も最高潮に達する。
これまでの2倍、3倍にも増加するのだ。
普通に考えて耐えられるハズがない。
今でも金利負担だけで精一杯の人が多いのだ。


米国の失業給付金期間は6カ月から1年間がほとんどだ。
もともと職を転々とする国民だけに、ほとんどは6カ月程度と考えて
いいだろう。
こういった給付金を受けていた人が、ついに受給期間が過ぎてしま
い、職を見つけることができず、就活を諦めた人も多いのだ。
いうまでもなくこういう人達は 「失業者」 から外れる。


とくにPIIGS諸国をはじめとした欧州危機の再熱も手伝って、いよ
いよ世界的な恐慌が再びやってくるのだ。
アイルランドは莫大な銀行負債、ギリシャは財政危機、ポルトガル
は2つの要素が二分している。
それに付け加えて、英国とスペインといった経済大国の危機が今
年中にやってくる。
これがカウンターパンチとして一気に痛みが襲ってくるのだ。
米国の世界的な金融機関も安泰ではないが、危機のたびに量的
緩和が実行されるだろう。



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