米銀 現在の破綻件数は09年・10年と比較しても減少してない

先日2月12日、早くも今年の米銀破綻件数が18件に上った。
今年2011年も過去2年間の記録を更新しそうである。
金融危機後の2月中旬までの破綻実績数をみても、決して米銀の
業績は上向いていないことがわかる。
過去2年間の同時期に閉鎖された米銀の数は以下の通り。


2009年の2月中旬までの破綻数 13件
2010年の2月中旬までの破綻数 16件


要するにちっとも改善していないのだ。
米国では中小金融機関の破綻と同じく、中小企業の破綻も増加の
一途である。
日本の中小企業数は全体の9割以上だが、米国も約6割を占めて
いる。


世界的競争力の弱い中小企業が多いため、融資を受けている機関
がどんどん閉鎖されれば、一気に窮地に立つことになるのだ。
日本は金融危機後においても、業績の悪化で潰れた銀行はゼロ。
日本振興銀行の破綻については、検査妨害から預金の引き出しが
一気に襲いかかったことにより閉鎖されたので、米銀の破綻内容
とは異なる。


米国では今月に入り、銀行の資本注入の必要性や増税量的緩和
の拡大などの議論が活発化している。
政府は今年度の財政赤字が1兆6500億ドルに上るとの予想をた
てているが、これはあくまで単年度だけの赤字だ。
金融危機前までの溜まりに溜まった累積財政赤字額は天文学的。
日本の数十倍の赤字を抱えているのだ。


とにかく直近の問題は3月である。
この時期が今年最初のヤマ場を迎えるだろう。
現在の好調な株価も一時的に急落するに違いない。
今後も年2回程度の量的緩和策が実行されていく。
つまり悪性のインフレが徐々に生まれることになるのだ。
ただし最大のヤマ場はあくまでも9月。
最後に念を押しておく。



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