ポルトガル経済・財政・金融危機 CDSスプレッドが上昇中

ポルトガルの10年物国債の利回りが急上昇している。
最新の金利は7.54%。
これはギリシャアイルランドほどではないが、一進一退を続けて
いる両国と比べ、PIIGS諸国の中でポルトガルだけが上昇してい
るのだ。


埼玉県と同じ経済規模であるが、2000年頃から成長率1%程度
に甘んじており、国内には主だった産業はない。
失業率も11%前後をうろうろしている。


同国当局者は、ポルトガル国債入札への需要は3月下旬の欧州
首脳会議までは問題ないが、その後は不透明との見方を示してお
り、その後は決定内容次第。 動向を注視する...と話した。
つまり危機的な状況は、ヒタヒタと迫っていることを認めているよう
なものだ。


危機的な状況は上記のPIIGS諸国だけではない。
イタリアやベルギーも、去年5月に勃発したギリシャ危機を遥かに
上回る国債利回りに達している。

スイスやドイツ、フランスに至っても当時と同水準にまで高くなって
いる。
だがこういった国の危機についてはあまり報道されない。


ある意味で当然だろう。
これらの優良国はPIIGSの国債を沢山保有しているからだ。
アナウンスだけで連鎖的に広がるからである。
今月一杯はまだ様子見気分だが、来月に入れば確実に支援が実
施されるだろう。
カネが底をついているのに、再びIMFは出資を余儀なくされる。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者