米銀の破綻 新たに4行 今年は22行 住宅金利が上昇に向かう

連邦預金保険公社は19日、カリフォルニア州ジョージア州
地方銀行が各2行ずつ、合計4行を閉鎖したと発表した。
今年はこれで計22行が早くも消え去った。


2007年8月中旬に拡大したサブプライム・ショック。
米国ではサブプライム層への貸し出しは、全体の7〜8%程度とい
われるが、この小さな数字でさえ当時の巨大投資金融機関の破綻
は避けることができなかった。


サブプライムローンは、契約して3年後に金利が最高潮に達する。
まだ差し押さえを免れている住宅も、そろそろ黄信号から赤信号に
向かって行く運命になる。
住宅価格が右肩上がりの時代なら問題ないが、一転して下落して
しまえば、完全に契約者の負担に変わるからだ。


そもそも 「サブプライム・ローン」 とは、信用度の低い個人に対する
住宅ローンである。
プライムはもちろん、「ジャンボ」 や 「オルトA」 より信用度が格段
に低い。
普通の考えでいけば、信用度の低い借り手への住宅融資について
は、貸出金利を高めに設定するのが常識である。
また金利だけではなく、頭金においても多めに用意させる。
貸し出しリスクを抑えるためには当然だ。


しかし米国では借り手の審査が、全くといっていいほど行われてい
なかった。
先日のブログでも記載したが、
“証明書類必要なし、自己申告でOK” といったものだった。
公務員や企業の幹部ならまだしも、年収数十万円の個人でさえも、
こんな調子で貸しつけていたのだから、後になって危機が訪れるの
は当然といえよう。
しかも最初の数年間は利払いを免除するというものだった。


その住宅金利がこれから急に上昇していく。
ジワジワ上昇するという穏やかな話ではないのだ。
職を失っても、一定期間は失業給付金や蓄えで返済できるだろうが、
底がついてしまったら元も子もない。
中間所得層や高所得者層の悲劇はこれから本番を迎える。
だから一定のセーフネットとして、ブッシュ減税の2年間延長を決め
たというわけだ。
ただしこれは野党の主張を受け入れたというのが本当のところ。


しかも悪循環が続くことに、最近の食糧価格上昇を導いた。
良かれと思って実施してきた量的緩和策が仇となり、マネーが市場
に溢れ、商品先物に向かっているのだ。
石油や農産物などであるが、気軽に飲めるコーヒーも相場を直撃し
ている。
意外に思うだろうが、コーヒー豆の取引相場は石油に次いで高い。
こういった日常生活品のインフレが低所得者層や失業者、もしくは
無職の人を直撃している。 まさに踏んだり蹴ったりの状態だ。
米国債金利も、予想とは裏腹に上昇してしまうというハメに。


とにかく来月には量的緩和策第3弾がほぼ決定となる。
第2弾の期限切れとなる6月が終われば、即実施となるだろう。
巨大な金融機関を救う方法はもはやコレしかないのだ。
再度のリーマンショックを防ぐためでもある。
しかしこれは遅かれ早かれ、米国経済破綻への道を意味する。



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