バーレーン、リビアでデモ拡大 中国やサウジアラビアに飛び火?

1月14日、チュニジアのベンアリ政権がサウジへの国外退去とい
う形で崩壊した。
その後すぐにエジプトでも反政府デモが起き、ムバラク政権が崩壊
した。 その影響が今、隣国のリビアや中東諸国にも及んでいる。


まずバーレーンだが、イスラム教の中でシーア派スンニ派の対立
が激化しているというのだ。
国民の6割はシーア派だが、残り4割のスンニ派が王族を中心とし
た実権を握っているため、スンニ派の国民を優遇しているためだと
いう。
また経済規模は鳥取県ほどだが、失業率は15%に達しているこ
とから多数の国民は不満をぶち上げている。


リビアについても、カダフィー大佐が1969年以来の実権を握って
いる。
就任当時はまだ27歳だったこの若造が、一国の大佐になれること
自体、不思議な国といえる。
こんな調子の国だから、ちゃんとした憲法すら制定されていない。
しかもこれまで民主化運動を徹底的に弾圧してきた。
2009年には同大佐の息子が要職に就いたこともあり、事実上の
後継者になるのではという見方もある。
実際リビアは議会と元首の結びつきが強い国だといわれているが、
その議会すらまともに機能していない。


今回のデモは、主にアフリカや中東といった発展途上国が中心。
建前上は絶対君主制ではないが、事実上の独裁政権が長期間に
渡って続いていることだ。
日本や英国といった国は皇族制が敷かれているが、 国民主権
憲法で謳っているから、国王もそれ以上にはなれない。
“ 国王は君臨すれども統治せず ” といったものだ。


しかし絶対君主制という独裁体制を続けている国は殆どが中東。
サウジアラビア、UAE、オマーンカタールクウェートといったとこ
ろだ。
この中でもサウジアラビアは世界一王族の数が多く、女性の権利
も厳しく拘束されている。
車の所有は認められているが、世界で唯一、女性の運転は禁止し
ているという。
だから車での移動は、ドライバーを雇うか、身内の男性に運転して
もらう必要があるというのだから理解できない。
経済規模は神奈川県と同程度で、G20のメンバーでもある。
石油が主産業で、関東の神奈川県と経済が同じ規模とは畏れ入る。
どれだけ膨大で底なしの油田を抱えているというのか。


また独裁国家としては、隣国の中国や北朝鮮が思い浮かぶ。
これらは共和制というより、国民主体であるはずの社会主義
だが王様こそいないが、それに代わる一族が支配していることから、
実質的に考えれば絶対君主制と考えていいだろう。
この中でもインターネットが普及している中国が、いよいよヤバくな
りそうだ。
共産党が懸命になって通信規制をしているのだが、何しろユーザー
が桁違いに多いので、削除が追い付かない事態も想定される。
第2の天安門事件に発展する可能性も無いとはいえない。


さて直接デモとは関係ないが、時代に逆行している国も存在する。
それは東南アジアの 「ブルネイ」 だ。
日本や英国、タイと同じく国王がいる立憲君主制であるが、次第に
国王の権限が肥大化しているらしい。
しかし一人当たりのGDPは比較的高く、所得税や住民税が課され
ておらず、ナント医療費も無料だというから羨ましい限り。
こういったこともあり、政府に対する不満は出ないのだろう。


独裁国家はアフリカや中東以外、中央アジアや中米諸国にも多い。
今後これらの動向が非常に気になる。
トルクメニスタンのように、高速ネットの料金が月額56万円という
国では、実際デモを起こしたくても現実的に難しいのでは. . . 。
G20諸国ではトルコやメキシコの接続料が高い。
そういえば世界一の資産家になったメキシコ人は、通信王だった。



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