英国(イギリス)高速鉄道 日立が受注 韓国企業は台湾で故障続出

英国当局は3月1日、首都ロンドンからバーミンガム経由でマンチェスター
までを結ぶ高速鉄道の車両事業について、日本の日立製作所を中心とす
るグループとの契約に向けて最終交渉に入ると発表。
これで日立側の受注が事実上決まり、保守事業などを合わせた契約金額
は総額で45億ポンド(約6000億円)となったようだ。


今回の事業は09年2月、日立側が優先交渉権を獲得していた。
しかし昨年5月にキャメロン新政権が発足し、緊縮財政を打ち出したため、
一度は白紙撤回も浮上したが、約2年がかりで最終決着に近づいた。
英国の厳しい財政事情から4割減。
契約金額は当初発表されていた約75億ポンドから大幅に減額されたが、
これを機に欧州全体でのインフラ整備拡大を目指したい考えだ。


さて今回、日本の日立製作所がこのような大型契約を成功させた理由は、
やはり技術の高さと性能性だといえる。
昨年末に襲った欧州の大寒波襲来により、ロンドン近郊はダイヤの乱れが
毎日常態化し、大混乱に陥っていた。
その中で日本製高速鉄道だけが唯一大きな遅れもなく、ほぼ平常通りに
運行したということで、今回高い評価につながったというものだ。


我々日本人の感覚では、地震以外の時は普通に走っている新幹線を見慣
れているし、使い慣れているから、大雪程度でダイヤが乱れることなんて、
あまり考えられない。
しかし英国といった欧米諸国では、このようなことも高評価をもらえるという
ことなのか。
しかし日本人として嬉しい点はこれだけではない。
欧州ビッグ3と呼ばれているドイツのシーメンス、カナダのボンバルディア
フランスのアルストムを抑えて獲得できたということだ。


日本は原子力発電や水ビジネスといった環境面だけでなく、高速鉄道
おいても世界中で広がるきっかけを作れたといえる。
だがその反面で、信頼を失墜させているのが隣の韓国メーカーである。
先のブラジル高速鉄道の受注合戦について、唯一採算度外視でも積極的
な姿勢を示していたが、当のブラジル側が韓国は経験不足といったことで、
一度白紙に戻してしまったのだ。
このブラジルへの計画は、日本やフランスも加わっていたことは言うまでも
ない。
韓国にとってはプライドがズタズタに切り裂かれた気分だろう。


ところがこれだけではない。
日本の高速鉄道 「新幹線」 を走らせている台湾でも、ある部門で韓国
車両を導入したら、故障が続出。
しかもメーカーは倒産し、引き継いだ会社が “関係ない” といった態度に
出たため、いま台湾では鉄道における韓国メーカーが事実上禁止状態
となっているという。
そうした結果、台湾の新しい建設計画は英国同様、日立が発注した。


高速鉄道におけるビッグ3は、まだまだこれからも世界中で健在であろう
が、日本メーカーは省エネといった環境面や技術面でどんどん名を効か
せていくのは間違いない。
アジアでは中国や韓国のメーカーは眼中にない。
一方でアジア市場ではインドでの日本の信頼性は抜群だし、当の中国で
川崎重工の鉄道技術を取り入れている。
問題はまさに技術の流出である。
こういった新興国は経済的に成長するにつれ、どんどん日本や欧州など
の技術を必要としてくる。
日本メーカーの将来性は技術的には他のどこよりも明るい。
あとはコスト面だろう。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者