米国(アメリカ)人は通貨ドルを信用していない。今月すでに暴落済み

17日の外国為替市場で、円が一時1ドル=76円台と戦後最高を更新
したことで、政府と日銀(BOJ)、そしてG7は大規模な円売り・ドル買い
の強調介入を実施。
その後82円台まで円は下落、ユーロに対しても114円台まで落ちた。
しかし対ユーロはまだしも、対ドルに至ってはすぐに1円以上も上昇した
のだ。


これについて筆者は、四半期決算中の米国の経済悪化は予想以上に
傷んでいるな・・・と感じた。
日本での震災でカモフラージュされているようだが、株価は向こうでも
大きく下落しているので、ちゃんと個別の指標をみていれば理解できる。
日本の震災によって、インテルやGE(ゼネラル・エレクトリック)といった
株価が大きく揺れた。
日本からの精密機器が不足するだろうといった予測から、売られたのだ。


GEについてはもはやいうまでもない。
日本の原子力関連と資本関係にあるから株価は下落。
一方で・・・インテルに至っては理由がわからない人が多いだろう。
同社はPCに内蔵されているCPUで有名だ。
パソコンの頭脳とも呼ばれており、世界シェアは80%。
かつて1992年まではNECをはじめとした日本勢のメーカーが首位だっ
たが、翌93年に同社が首位を奪還している。
ではなぜ日本の震災で、同社がこれほどまでに影響を受けるのか?
その理由は、CPUの製造過程で使用される素材といった分野は、日本
の技術が必要
だということらしい。


さて少々話が逸れてしまったが、ドルが再び下落していることに注目だ。
政府や日銀は週明けも80円を割ると協調介入すると言っている。
1〜2年の視野でみても、ドルは確実に暴落する運命にある。
というより、実際に先週17日に暴落しているのだ。
なぜ価値の下がる通貨をいつまでも持ち上げなければならないのか?
狂気の沙汰としか思えない。


やはり政府や日銀は、われわれ庶民のナゼに具体的に答えてくれない。
具体的というより、「納得」 した回答が全くないのだ。
国民に対しては長年、“救出に影響があるから” といったお決まりの回答
しかしないだろう。
正直に、「貸し付けているマネーが目減りするから」 と答えればいいのに、
そうったタブーについては絶対に語らない。
まぁ、例え当局者が語ってもマスコミは報道しないだろうから。


これについては中国も同じである。
中国は米国に対して、日本以上の額を貸し付けているだろう。
マスコミはドル安によって、中国の輸出減少や中国人の雇用についてば
かり報道するが、中国側が心配しているのはそれだけではない。
ドル安によって数百兆円ものマネーの価値が下がるからである。
だから急激なドル安を牽制しているのだ。
中国の立場から言わせれば、
“米国の要求通りカネを貸しているのに、価値を下げる行為は何だ!”
ということだ。
まさに中国のほうが正直で、正統で、切実な言い分だ。


とにかく米国人は自国通貨を信用していない。
日常の買い物等や、その他の取引行為でもクレジットカードや小切手を
中心に使っている。
現金である紙幣は昔ほど使っていないのだ。
70年代までのようなドルの信用は、今では盤石ではない。
現在では買い物の際にキャッシュで払おうとすると、ニセ紙幣かどうか
その場でチェックされるという。
ドルはここ数十年下がりっぱなしだから、誰も信用していない。
信用しているのは発展途上国や一般の日本人くらいなものだ。
クレジットカードを持っていないと、社会的な信用が落ちるという点につ
いて、これで何となく納得できる。
もはや個人でもドル預金は時代錯誤であることは間違いない。



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