米国(アメリカ)高速鉄道 新幹線を売る必要なし 回収不能は確実

JR東海が受注を目指していた、米国フロリダ州における高速鉄道計画
が頓挫し、3月5日に中止が決定したことはご存じの通りだ。
深刻な財政危機で、今以上の新規予算に充てる余裕がないというもの。
当時の前原大臣も1月の訪米時に同州のスコット知事と会談、新幹線を
売り込んだが不発に終わった。
ディズニーワールドからタンパまでの計画であった。


米国の高速鉄道計画における中止は、フロリダ州だけではない。
オハイオ州ウィスコンシン州でも、高速鉄道計画はすでに中止となっ
ている。 すでにフロリダ州の中止発表前に決まっていたのだ。
ウィスコンシン州州知事共和党出身ということで、緊縮財政を進め
ていることが理由。


ウィスコンシン州は先々週、公務員の団体交渉権を制限する法案を提案。
これに反発する州職員や組合支持者たちが州庁舎に立てこもったのだ。
州知事は組合側に4月にも解雇すると通知したのだ。
これにより州職員1500人が職を失うとしているのだが、日本で震災被害
真っ只中の13日に法案が成立した。
米国の各州はジワジワと襲ってくるデフォルト危機で、去年のギリシャ
今年のエジプト、チュニジアリビアのような事態がやってくることも考え
られる。


これまで何度か投稿してきたが、米州では財政がどこも火の車だ。
かつて州債に投資してきた投資家は、コツコツと金利で稼ぐという姿勢だ
ったが、金融危機前頃からは格好の投資商品に変わってしまった。
今ではヘンテコリンなハイリスク・ローリターン商品になってしまった。
この州財政であるが、本当に今年末から破綻する州が出るかもしれない。
連邦政府からの補助金は去年2010年がピーク。
今年2011年はかろうじて去年の8割程度になるが、2012年は2〜3割
程度しか補助金が出なくなるという。


最大の経済規模を持つカリフォルニア州も例外ではない。
オーストリア出身のシュワルツネッガ―前知事が、09年7月と10年9月
に来日している。
同州における日本の新幹線売り込みの商談について、当時の前原国交
相と会っているのだ。
同州での計画は、ディズニーランドからネバダ州のラスベガスまでを通す
という計画だ。


しかしこの時点でちょっとした違和感を覚えなければならない。
あくまでお客は向こうなのに、なぜ同州知事が日本にやってくるのか?
一体全体、民主党政権とJP東日本との間で何が話し合われたのか?
どうやら当時の国交相前原が、同州に資金を提供したようである。
それも高速鉄道関連のマネーではない。
日本国民はこういった裏取引や賄賂に怒らなければならない。
とにかくシュワちゃんは良いタイミングで任期を終えたものである。
後任の知事は財政問題でこれから地獄を味わうだろう。


とにかくどこの州でも同じだが、高速鉄道の建設資金をすべて日本から
の融資でまかなおうと考えているのなら、暗澹な将来を考えても、やめた
ほうがいい。
カリフォルニア州では遅かれ早かれ破綻に陥る。
不動産バブルは全米でトップクラス。
だからバブル崩壊規模もトップクラスだ。 おまけにネバダ州も。
それに具体的な建設計画時期も決まっていない。 何てこった. . . 。
テキサス州でも同じで、こちらは具体的な路線も決まっていないのだ。
米国債や州債をまともに償還できない国が、将来の建設費用についても
返済できるわけない。
たとえ建設が無事始まっても、建設途中の段階で頓挫するだろう。


米国での不動産価格の下落は今でも悪化の一途である。
今月17日に発表された2月の住宅着工件数は、前月比22.5%減。
また先行指標となる住宅着工許可件数についても、前月比8.2%減の
年率51万7000戸で過去最低を記録している。


米国における鉄道計画では、何らかの担保を提供する必要性が出てく
るだろうが、とにかく国自体違うこともあるし、これまでの陰謀行為という
実績から考えて、慎重に事を進めた方がよいだろう。
最後には政治的な陰謀から、ひっくり返される可能性もあるからだ。
前述のようにカリ州では、前知事が日本から資金をうまくフンダグッた
にもかかわらず、就任期間中は結局決めなかった。
今では州知事が変わったから、権限は当然新しい知事に移行する。
また何を要求してくるかわからない。
もちろん日本の新幹線を採用しないことも十分考えられる。
それよりずっと未計画を続け、高速鉄道のカードをちらつかせてくるかも
しれない。


とにかく米国信仰を信じている日本人は、即改めるべきだ。
マスコミが真実を報道しないから、今も日本人は過信してしまっている。
日本での震災によって、資金を回収するかしないかの噂だけで、大きく
揺れてしまう国なのだから。



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