米国(アメリカ)経済危機 インフレは不可能 悲惨な事態に突入

日銀の3月におけるマネタリーベースが発表された。
3月11日の震災以降、数日間連続における大量の資金供給を日銀
が実施した結果、金融機関の手元資金を示す当座預金残高が急増し
たという。
前年比16.9%増の112兆7432億円と過去3番目の高水準とな
ったようだ。


3月の水準は過去最高だった06年1月の114兆1316億円。
2番目は05年12月の113兆0466億円。
今回はそれに次ぐ水準だ。
しかし前年比2割にも満たない増加なんて、米国と比較すればまさに
蚊が刺した程度に過ぎない。
向こうはもっと巨額だし、その効果のほどは全く無い。


米国は07年8月に発覚してきたサブプライム・ローンでも、それほど
マネタリーベースは増加しなかったが、翌年のリーマン・ショック後か
ら急激という表現を逸脱するほどの増加ぶりである。
08年秋には8千億ドルだったのが、09年11月には1兆9千億ドル
強と、2倍以上に膨れ上がっているのである。


しかし問題はやった結果、功を奏したかどうかだ。
全然なっていない。。。
先日のブログでも掲載したが、銀行の貸出し基準が厳格になってしま
ったこともあり、貸し渋り貸し剥がしが増えていった。
それよりも国民自体が、今以上の借金をしないという考えに変わった。
これ自体は喜ばしいことである。


景気を刺激しようとして、いくら紙幣を印刷しても、株価や商品市場
に流れ込むばかり
で、実体経済の回復にはつながっていないのだ。
紙幣の印刷といっても、コンピューターと印刷機でプリントするだけで
ある。
今後もプリンティングマネーが進み、金利を少しでも引き上げないと
国債が売れなくなる事態がこれから起こってくる。

だからFRBの連中は最近、金利を若干引き上げるだろう. . . . . と
語っているのである。


しかし効果がないという理由はこれだけではない。
大手金融機関が膨大な不良債権といった負の資産を持っているので、
これに充当しているというのが本当のところだ。
こういった各々の債務残高は正直に表に出ないし、絶対にさせない。
ウィキリークスくらいしか公表されないだろう。
(もちろん、するかしないかはわからない)
米国でのインフレはもはや不可能。
これから本格的なデフレ経済が待ち構えている。


実体経済の話だけではない。
世界的な投資銀行であるGSは金融危機前、PIIGSだけでなく英国
に対しても巨額なレバレッジを賭けてきた。
そのレバッレジはナント3〜400倍である。
すでにかなりの損失計上していることは確かであるが、QE1やQE2
で巨額な資金を調達できたことから、なんとか破綻を免れているだけ
である。
競争相手がどんどん潰れていったことも朗報だったわけだ。


考えてみれば、国同士の貿易構造と全く同じである。
お隣の国のように、通貨スワップで先進国から巨額なマネーが入って
くると、一時的に収支が黒字化する。
経済が強くなったわけでも何でもないのだ。
こういった誤魔化し報道や統計だけを伝えているわけだ。
米国は間もなく今以上の悲惨な状況を迎える。
ドルも去年9月15日と、今年3月17日に大暴落を起こしている。
支える方法は、円安といった協調介入だけになった。
欧州はユーロ安介入なんてしない。
結局援助していくのは、日本だけが頼みの綱といったところだろう。



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