米銀の破綻 新たに5行閉鎖 不動産価格暴落で連鎖倒産が続く

連邦預金保険公社(FDIC)によると、29日に米国の地方銀行
5行閉鎖になったと発表。
これで今年の破綻件数は計39行となった。


地銀の破綻は15日に6行が閉鎖されたが、先週は免れていた。
いくら量的緩和を続けても、そのマネーは地銀には届かないようだ。
今回の破綻理由も商業用不動産価格の下落だという。
もちろん富裕層向け 「プライム・ローン」 の焦げ付きも大きな理由だ。


地方銀行がバタバタと潰れる理由として、不動産価格の下落以外に、
地方債が破綻寸前であることも大きい。
つまり州政府の財政赤字が巨額になり、これによって民間への融資
がほとんどストップしてしまったことだ。
不動産価格が上向けば融資など必要無くなる。
地銀の破綻が止まらない理由は、住宅価格の下落と差し押さえ、
さらに金利の上昇によって返済ができなくなっているからである。


こういった破綻した銀行はどこかに吸収合併されているが、こういった
ことで人員削減が可能となり、政府から一定の補助金を受けることが
できるのは確かだろう。 (もちろんこのことは失業率の悪化につながる)
しかし不動産価格改善の兆しが全くないことや、量的緩和策が6月末
で終了することも考えて、今後本格的に破綻件数が増えるものと思わ
れる。


現時点で差し押さえを免れていても、大半の家庭はまだ多くのローン
を残している。
こういう人達に、まもなく金利の急上昇が襲ってくるのだ。
リーマンショック後、住宅価格の底値からローンを組み始めた人も多
いだろうが、その後も景気悪化が長引き、自身が失業したりしてしま
ったら元も子もない。
一般的に住宅金利は契約してから3年後に最も高くなる。
今年は2008年の金融危機以来、最大の正念場を迎えることになり
そうだ。



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