スペイン 失業率が悪化の一途 今年はIMFやEUが支援に動く

金融危機後からの景気低迷、財政悪化に直面しているスペインは29日、
今年1〜3月の失業率が21.29%となり、失業者が490万人を記録し
たと発表。
これは前四半期で比べても約1ポイントも増加したという。
これまで何度か紹介したが、スペインの失業率はEU加盟国で最悪水準
となっており、今年は経済再建策としてIMFやEUからの財政支援が取り
沙汰されている。


2010年の第4四半期の失業率は20.33%。失業者は約470万人で、
過去13年間では最悪の記録だった。
つまり今年第1四半期では、失業者が更に21万3千人増えたことになる。
不動産をはじめとした住宅産業はもちろん、建設業、サービス業、農業など
全分野で失業者が膨らんだようだ。
今回政府統計によると、138万世帯が職を全く持たない人を抱えており、
世帯数でも前四半期比5万8千世帯増えたという。


スペイン経済の危機は自国だけにとどまらない。
ドイツやフランスといったユーロ圏の大国まで足を引っ張ってしまうのだ。
ドイツがスペインに融資している額は1468億ユーロ。
PIIGS諸国全体の4割に達している。
一方でフランスは更に割合が高く、PIIGS諸国全体の5割の額を貸し付け
ている。
フランスはスペインに対して、あのギリシャより多額の債権を有している
のだ。
とにかくスペインへの支援話になってくると、ギリシャ騒動の比では済まな
くなるのである。
さらにユーロ圏を飛び越えて、英国まで波及することは間違いないだろう。


スペインは今年8月と10月に大量の国債償還が待っている。
ポルトガルは4月の償還については、各国からの借り入れで何とか資金
を工面できたが、次回6月の償還については全くもって不透明。
4月同様、50億ユーロの資金が再び必要になってくるのだ。
つまりユーロ圏では今後2か月ごとに国債償還時期がやってくる。
米国経済の不安定も手伝って、今年は08年以来の経済危機が世界を駆
け巡ることは間違いない。



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