G8サミット 震災・経済問題。G20サミットは恐慌対策へ

26日からフランス・ドービルで開催されたG8サミット。
原発の安全性を一層高める為、IAEA以外の国際機関を設けることで各国
が一致したという。
菅直人首相は、今より安全性の高い原発を作り上げることを表明。
各国も異論はなかったようだ。


一方で太陽光発電を使った自然エネルギーについては、一定の理解を得
たもの、具体的な進め方や財源問題、さらにその効果についてはハッキリ
とした根拠を示せなかったという。
他の参加国ではまだまだ懐疑的だということか。


日本は太陽光発電の生みの親である。
2005年までは総設備容量でトップだった日本だが、残念ながらその後は
ドイツに首位を明け渡し、その後もあれよあれよと下がり続けて、ついに
2008年にはドイツ、スペインに次ぐ3位まで後退した。


容量での強弱はそのまま普及率を意味しているといっていい。
日本は2年に一度豪州で開催されるワールド・ソーラー・チャレンジ(WSC)
で、08年と09年で優勝している。
その前には93年と96年にも優勝しているのだ。
価格(パネル・設置・売電)と公的支援を充実させれば、普及に弾みがつく
ことは間違いない。


また太陽光パネルの生産においても、現在は中国がトップ。
これは世界の工場といわれるように、人件費の安さが魅力だからだ。
日本の量販店でもおなじみだが、中国にはサンテックといったメーカーが
る。
それにドイツのQセルズが中国での生産比重を高めていることも、中国の
生産量が高い理由のひとつだ。
いずれにせよ技術的に発電量を向上させているのは、いつも日本。
ここは自信を持って目標に邁進してもらいたい。


しかし太陽光の普及は、各自治体の協力が不可欠である。
昨日は政治の影響についても書いたが、その他の要素も立派に存在する。
例えば沖縄電力はほとんどが火力発電で、原発の依存度はゼロである。
また中国電力原発依存度はたった8%程度に過ぎない。
もともと原子力発電に頼っていないところで、わざわざ太陽光に変えようと
考えるだろうか?
反対に原発の依存が最も高いのは関西電力
その次に九州電力北海道電力、そして四国電力と続く。
つまりこの地域に住んでいる人は、その分だけ危険と隣り合わせである。



さて今年11月に開催されるG20サミットも、同じくフランスで開かれること
になっている。
場所はベルリン、ヴェネチアと並ぶ世界三大映画祭のひとつ、カンヌだ。
ここでは原発の安全性問題云々より、正に世界経済について議論が集中
すると思われる。
ギリシャをはじめとしたPIIGS諸国の危機が、一層深刻化すると思われる
からだ。
ちょうどこの時期はスペインの支援について活発化しているだろう。
もちろん米国も例外ではない。


しかし問題は先進国だけではない。
新興国でも債務問題や通貨危機といった話が持ち上がるだろう。
去年11月、G20サミットを誘致させた韓国がヤバいのである。
08年秋に3年間の約束で中国と通貨スワップを締結した韓国が、今年の
秋に期限がやってくるのだ。

もちろん延長される可能性もあるが、今でこそ債務が膨らみ続けているわ
けだから、油断はできないだろう。


反対に日本は08年のG20サミットでは、1千億ドルの資金をIMFへ融資。
資金基盤の強化に貢献した。
当時は自民党政権だったが、サミットでは 「人類の歴史上、最大の貢献」
という称賛をもらい、議長声明文にも記載されたのだ。
だから今度も世界最大の債権国家の資金をアテにして来るかもしれない。


G8サミットは終わった。
来週からは本格的なギリシャ問題が議論されるだろう。
むしろサミットが終了するまでは危機を温存してきた可能性もある。
あくまでもタイミングの問題であるが、これから6月にかけて襲ってくる欧
米の財政危機・円高の進行は避けられない。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者