韓国 統計の不思議 非正規雇用6割で失業率が3.7%!?

韓国の経済構造は基盤が弱いことについて投稿した。
しかし文化面のパクリだけでは終わらず、公式に発表する統計についても、
実に摩訶不思議である。


韓国の統計庁は5月上旬、4月の雇用動向を発表した。
その結果失業率は、0.1ポイント改善の3.7%だったという。
数字だけをみると、中国と同じで素晴らしい〜〜〜、 と思う人もいるだろう
が、これが全くアテにならない統計なのだ。
いまだに、どんぶり勘定が続いているとしか思えない。


どこの国でもそうだが、仕事を解雇されても公共職業安定所に行って登録し
ないと失業率にカウントされない。
日本ではハローワークだ。
また失業保険で食いつないでいた人が、その後給付期限が過ぎてしまった
ら、失業率の定義から外れる。
日本でもネットバブル崩壊時や、リーマンショック時には雇用環境が悪化し、
失業率が5%を超えた時もあったが、韓国は97年にIMFに支援を求めた時
以外は、ずっと失業率が平行線のままである。


韓国の98年、99年の失業率は6%台後半。
その後は急激に改善し続け、2002年から3%台を超えたことがない。
08年は再び韓国の通貨危機が取り沙汰された頃であるが、同国の09年
第1四半期成長率は、前年同期比でマイナス20%を記録した。
台湾でも前年同期比マイナス19%、日本でもマイナス13%だった。
にもかかわらず韓国の失業率は、依然ほぼ横ばいのままである。
やはりというか、ここは国家ぐるみで統計を捏造しているとしか思えない。
見栄っ張りでメンツを重んじる国民だからこそ、自分の弱さを意図的に露呈
させたくないというのが本当のところだろう。


今の韓国の大学進学率は85%。
これは先進国を含めても世界最高水準の進学率である。
毎年50万人以上の大卒者が生まれるが、当然のこと、その全員を雇用す
る能力はない。
そういった就職難から、スムースに卒業せず、意図的にそのまま大学に留
まる若者も多いという。


また韓国は国内市場の頭打ちから、大企業(財閥)は海外展開を拡大して
おり、中国やインドといったアジアや中南米での雇用は増やしている。
つまりその反面、韓国内での雇用は増えないというわけだ。
先日、全財閥のトップが語っていたように “ 国内市場はもはや頭打ち ” と
いう表現は、まことに素直な感想だったに違いない。


さらに財閥依存経済といった問題もある。
サムスン、ロッテ、LG、現代、斗山、ハンファ、SK、ポスコ、KT...
といった30もの財閥系が経済の主役なのであるが、こういった大企業でも
終身雇用は約束されていない。

成績が上がらなければ、退社を余儀なくされるのだ。
そういった意味でも決断が早く、せっかちな企業文化が残っているといわれ
る所以である。


これだけではない。
ご存じの通り韓国の財閥は、ある特定の業種に集中せず、儲かりそうなビジ
ネスがあれば、すぐに手を出してしまう。
つまり個人が手を出しても、資金豊富な財閥の前には太刀打ちできない。
よって始める前から勝負はついているというわけだ。


こういったことから若者の失業率は非常に高い。
韓国の2010年大卒就職率は51%。
日本の大卒就職率が今年91%であることを考えれば、いかに深刻である
ことがわかるだろう。
しかも51%の中には、アルバイトや派遣といった非正規も含まれている。
だから 「正社員就職率」 となれば、もっともっと低い。
20代の4人に1人は完全失業といわれているくらいだ。
このことから韓国の非正規の割合はナント6割。
日本でも3割といわれて、大変だ!! と騒いでいるが、お隣と比べたらまだ
全然マシなのである。 (比較すべきものでもないが)


こういった産業構造・文化背景もあって、韓国では自営業者が非常に多い。
人口当たりの自営業者数の割合は、OECD諸国の中で第2位。
ちなみに1位がギリシャである。
(これまた不名誉な感覚を覚えてしまう...)


韓国は今、中国の経済膨張について脅威を感じている。
とにかく価格競争力では中国に対抗できない。
また技術においても追い付かれそうになっている。
中国独自の技術は皆無だが、日本をはじめ欧米と合弁会社を作っている
ので、技術が年々高まっているのである。
からしきりに日本企業の誘致や合弁事業に積極的になっている。


昨年は半導体製造装置の東京エレクトロンが、韓国で3倍の製造能力を
掲げるという目標で進出することになった。
また今年に入って、住友化学がLEDの合弁会社を韓国で設立することを
決めた。
そして最近では菓子メーカーのカルビーが、韓国のヘテ・グループと合弁
会社を現地で設立するという。


そういえば韓国野球チームに、「ヘテ・タイガース」 というものがあったが、
今はスポンサー企業が変更されている。
ヘテの英語名は、HAITAI。 そのまま読むと日本人は誤解しそうだ。
いずれにしても誘致を担当した韓国企業の社員は、末永く居残ることがで
きるだろう。



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