英国(イギリス)の負債は危険レベルに 2011年はデフォルト寸前か

米国のインチキ格付け会社ムーディーズは、英国の長期国債について、
脆弱なバランスシートや厳しい経済見通しにもかかわらず、「Aaa」
の格付けを維持しながら、今後の課題に対処することができる. . .
と発表。
国際的な信用面では依然として高いことを述べた。
それにしても何とも遠回りでギスギスした表現に他ならない。


英国は 【 STUPID 】 「馬鹿モノ」 の一角である。
各国の頭文字をとった英単語であるが、その国とはスペイン、トルコ、
イギリス(UK)、ポルトガルアイルランド、ドバイだ。
PIIGS諸国と比較されているが、STUPIDの場合は、ギリシャ
破綻すれば、その後連鎖的に破綻するだろうという意味で生まれた。


とにかく英国の財政赤字や銀行負債はヒドい。
現在はギリシャからアイルランドの危機が報じられているが、英国が
不名誉にも、その次の候補国として伸し上って来そうだ。
来年2011年には、今の返済額の2倍の額に上りそうなのである。
財政赤字は危機的レベルである。


現在英国の対外債務は10兆ドルで、これは同国GDPの4年分
に相当する。

既に英国政府が拠出した額は1兆4千億ポンドにも上り、すでに1年
分のGDPに当たるのだ。
英国債は海外投資家の依存が高いことから、国際市場の信認を失え
ば、あっという間に市場で売り浴びせられる。
ここが安全な日本国債と大きく違う点である。


2年前のリーマンショックから判っていたことであるが、英国の官民が
海外の投資家から借りている額は、とにかく尋常な額ではない。
同国GDPの3.4倍という額に上っている。
いくらPIIGS諸国と違い、経済規模が大きいとはいっても、返済能力
は絶望的といえるものだ。
ちなみにギリシャがGDPの1.6倍。同じくポルトガルが2.2倍。
そしてスペインが1.5倍である。


筆者が上記PIIGS諸国と同じか、それより危機が早く英国に訪れる
と考える理由は、英国はPIIGSと違い、短期国債の比重が非常に
多い点
だからと考える。
もはや金融業しか取り柄のない国が、このような戦後最大の金融危機
を無事に乗り越えられるかどうか. . . 疑心暗鬼の域を超えている。
為替市場でも、ポンドはユーロ以上の下落を続けている。


ギリシャの次はアイルランドだろうが、英国も次期候補として、スペ
インやポルトガルと一蓮托生に沈んでいくだろう。
英国は1976年以来のデフォルト(つまりIMF支援)が訪れそうだ。



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